having done・to have done の読み方|準動詞の中の時制のズレ

having done・to have done の読み方|準動詞の中の時制のズレ

分詞や不定詞そのものには、時制がありません。では「本体の動詞より前」の出来事を準動詞で表したいときはどうするか——そのための形が having done と to have done です。下の英文には両方が出てきます。

目次

今回読む英文

まずノートに書き写して、自分で訳してみてください。

Having spent his childhood in Brazil, he seems to have acquired a feel for the rhythm of Portuguese that no textbook could have given him.

語彙チェック

childhood
子ども時代
acquire
〈能力など〉を身につける
feel
感覚
rhythm
リズム
Portuguese
ポルトガル語
textbook
教科書
自分で訳したら答え合わせ
子ども時代をブラジルで過ごしたので、彼は、どんな教科書も与えることができなかったであろうポルトガル語のリズムの感覚を、身につけたように見える。

構造

分詞構文
Having spent his childhood in Brazil
子ども時代をブラジルで過ごしたので(having done = 主節より前の出来事)
S
he
彼は
V
seems to have acquired
身につけたように見える(to have done = seems より前)
O
a feel for the rhythm of Portuguese
ポルトガル語のリズムの感覚を
修飾
that no textbook could have given him
どんな教科書も彼に与えることはできなかったであろう(feel を修飾)

読解のポイント

1
準動詞の完了形は「本体の動詞より一歩前」の印
分詞・不定詞・動名詞は自分の時制を持てないので、having done / to have done の形で本体よりひとつ前の時を表します。He seems to have been rich. = 昔は金持ちだった(前)ように、今見える(今)。seem や be said to のように事実を述べる述語との組み合わせが典型で、正確には「基準となる時までに完了した事柄」を表します。
2
Having done, … の分詞構文は「〜した後で・〜したので」
主節より前に完了した動作です。Having finished the report, she went home. = 報告書を仕上げてから帰宅した。受動なら Having been raised abroad, …(海外で育てられたので)の形になります。
3
動名詞でも同じ——remember having said・be proud of having won
He remembers having said so. = そう言ったことを覚えている。She is proud of having won the prize. = 受賞したことを誇りに思っている。having done を見たら、機械的に「本体より前」と時をずらして訳します。

練習問題

今回のポイントを意識して、別の英文を読んでみましょう。

She is said to have written the novel in only three months, and she never regretted having given up her office job to finish it.
自分で訳したら答え合わせ
彼女はその小説をわずか3か月で書いたと言われている。そして、それを完成させるために会社勤めを辞めたことを、決して後悔しなかった。
まとめ

having done / to have done は「本体の動詞より一歩前」の印。分詞構文・不定詞・動名詞のどれでも、時をひとつ前にずらして訳します。


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この記事を書いた人

大学受験英語の専任講師。指導歴9年・のべ1,500人以上を指導。TOEIC990点(満点)・英検1級・登録日本語教員。英文法・英文解釈・英作文を「順番につなげて」学べるよう、問題演習を中心にわかりやすい解説を発信しています。

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