for を見たら「〜のために」——その反射で読んでいると、カンマの後ろの for でつまずきます。for には、文と文をつなぐ接続詞の用法があるからです。下の英文には、2つの用法の for が出てきます。
目次
今回読む英文
まずノートに書き写して、自分で訳してみてください。
He said nothing about the prize, for he knew that boasting would cost him the respect he had worked for years to earn.
語彙チェック
prize名
賞
boast動
自慢する
cost動
〈人〉に〈物〉を失わせる
respect名
尊敬
earn動
〈信頼など〉を得る
for years熟
何年もの間
自分で訳したら答え合わせ
彼はその賞について何も言わなかった。というのも、自慢すれば、何年もかけて努力して得た尊敬を失うことになると分かっていたからだ。
構造
S・V
He said nothing about the prize
彼は賞について何も言わなかった
接続詞
for
というのも(理由を後から添える接続詞)
S′・V′・O′
he knew that 〜
〜だと分かっていたからだ(that 節 = O′)
S″・V″・O₁″・O₂″
boasting would cost him the respect
自慢は、彼に尊敬を失わせるだろう(cost 人 物 = SVOO)
修飾
he had worked for years to earn
彼が何年もかけて努力して得た(respect を修飾・関係代名詞の省略/for years = 前置詞の for)
読解のポイント
1
「S V, for S V」の for は接続詞——「というのも〜だからだ」
カンマの後ろに for + 完全な文が続いたら、理由の接続詞です。前の文の根拠を後出しで添えます。because と違って文頭には置けず、必ず前の文の後ろに続きます。
2
for の直後を見る——完全な文なら接続詞、名詞で止まれば前置詞
for he knew … のように主語 + 動詞が続けば「というのも」。for years(期間)、for the prize(対象)、for his age(〜の割に)のように名詞で止まれば前置詞です。この一点で機械的に区別できます。
3
接続詞の for は返り読みせず、前から「。というのも」と訳し下す
because 節のように「〜なので」と前に回すのではなく、「〜だ。というのも…からだ」と文の流れのまま訳します。書き言葉に多く、論説文で筆者が根拠を補足する合図になります。
練習問題
今回のポイントを意識して、別の英文を読んでみましょう。
The travelers moved quietly through the forest, for they had been warned that the slightest noise might wake the bears that were sleeping there through the winter.
自分で訳したら答え合わせ
旅人たちは森の中を静かに進んだ。というのも、ほんのわずかな物音でも、冬ごもりのためにそこで眠っているクマを起こしかねないと警告されていたからだ。
まとめ
カンマの後ろの for + 完全な文は「というのも〜からだ」の接続詞。名詞で止まれば前置詞。for の直後を見て判別し、前から訳し下します。
