導入
ここまで、5 文型を 1 つずつ確認してきました。
| 文型 | 形 |
|---|---|
| 第 1 文型 | SV |
| 第 2 文型 | SVC |
| 第 3 文型 | SVO |
| 第 4 文型 | SVOO |
| 第 5 文型 | SVOC |
それぞれの形は理解できても、実際の英文を見たときに、
- 「これは何文型なのか」
- 「目的語なのか補語なのか」
- 「修飾語はどこまでなのか」
で迷うことがあります。
大学受験では、文型そのものを直接聞かれることもありますが、それ以上に、文型の理解が和訳・整序英作文・空所補充・長文読解で必要 になります。
たとえば、次の文を見てください。
この文を「私はおもしろい本を見つけた」と訳すと 誤り です。the book = interesting という関係があるので、第 5 文型 SVOC です。
このように、文型を正しく見抜けるかどうかで、英文の意味の取り方が大きく変わります。
この記事では、5 文型の見分け方を大学受験の実戦向けにまとめます。流れは次の通りです。
- 単元の中心イメージ — 英文から骨組みを取り出す
- 基本用法(5 文型の復習) — 5 つの型を早見表で再確認
- 文型判断の 7 ステップ — 実戦で使う判別手順
- 大学受験で問われる重要ポイント — 入試で狙われる判別ルール
- よくある間違い — 受験生がやりがちなミス
第 1 章「品詞と文型」のこれまでの記事をすべて統合する 集大成記事 です。
単元の中心イメージ
5 文型を見分ける中心イメージは、
英文から骨組みを取り出す
ということです。
英語の文には、主語・動詞・目的語・補語 という中心部分があります。一方で、時・場所・方法・理由などを表す 修飾語 M もたくさん入ります。
文型判断では、まず 修飾語 M をいったん外して、文の中心を見ます。
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| S | He |
| V | studied |
| O | English |
| M | in the library / after school |
文の骨組みは He studied English.(第 3 文型 SVO)。
文型判断の核心 4 ルール
| 関係 | 文型 |
|---|---|
| 動詞の後ろに 何もない(または M のみ) | 第 1 文型 SV |
| S = C | 第 2 文型 SVC |
| 動詞の直後の名詞が S と ≠(その名詞が動作の対象) | 第 3 文型 SVO |
| O1 ≠ O2(両方とも目的語) | 第 4 文型 SVOO |
| O = C | 第 5 文型 SVOC |
このイコール関係を確認できると、文型判断がかなり安定します。
基本用法(5 文型の復習)
5 文型をもう一度、早見表で整理しましょう。
| 文型 | 形 | キー判別 | 例 |
|---|---|---|---|
| 第 1 文型 | S + V(+ M) | 動詞の後ろに O も C もない | He runs. / He lives in Tokyo. |
| 第 2 文型 | S + V + C | S = C | She is kind. / He became a doctor. |
| 第 3 文型 | S + V + O | O は動作の対象、S ≠ O | I read a book. / She opened the door. |
| 第 4 文型 | S + V + O1 + O2 | O1 ≠ O2 | He gave me a book. |
| 第 5 文型 | S + V + O + C | O = C | She made me happy. / We call him Ken. |
各文型の代表例
第 1 文型 SV
| 例 | 文型 | 解説 |
|---|---|---|
| He runs. | SV | S + V のみ |
| He lives in Tokyo. | SV + M | in Tokyo は M(場所) |
第 2 文型 SVC
| 例 | C の品詞 | 関係 |
|---|---|---|
| She is kind. | 形容詞 | She = kind |
| He became a doctor. | 名詞 | He = a doctor |
| You look tired. | 形容詞 | You = tired |
第 3 文型 SVO
| 例 | O |
|---|---|
| I read a book. | a book |
| She opened the door. | the door |
| He helped me. | me |
第 4 文型 SVOO
| 例 | O1(人) | O2(物) |
|---|---|---|
| He gave me a book. | me | a book |
| She told us the news. | us | the news |
| My mother made me lunch. | me | lunch |
書き換えでは to / for / of を使い分ける(give / send → to / buy / make → for / ask → of)。
第 5 文型 SVOC
| 例 | O | C | 関係 |
|---|---|---|---|
| She made me happy. | me | happy | me = happy |
| We call him Ken. | him | Ken | him = Ken |
| I saw him cross the street. | him | cross | him が cross する |
| I had my hair cut. | my hair | cut | my hair が cut される |
文型判断の 7 ステップ
ここからは、実戦で使う判別の手順を整理します。
手順 1:まず主語 S と動詞 V を見つける
英語の文は、動詞を中心 に組み立てられています。動詞が見えれば、その後ろに何が必要かを考えやすくなります。
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| S | The boy(sitting under the tree が修飾) |
| V | is |
| C | my brother |
文の骨組み: The boy is my brother.(第 2 文型 SVC、The boy = my brother)
主語が長くても、中心になる名詞と動詞 を見つけることが大切です。
手順 2:修飾語 M を外す
次に、時・場所・方法・理由などを表す修飾語 M を外して考えます。
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| S | The old man |
| V | walked |
| M | slowly / along the river / in the evening |
文の骨組み: The old man walked.(第 1 文型 SV)
英文が長いからといって、複雑な文型とは限りません。
手順 3:前置詞句を目的語と混同しない
文型判断でよくあるミスが、前置詞の後ろの名詞を目的語 O だと思ってしまう ことです。
| 例 | 動詞の性質 | 文型 |
|---|---|---|
| He arrived at the station. | arrive は自動詞 | SV + M |
| He reached the station. | reach は他動詞 | SVO |
「at the station」全体で M、station 単独で O ではありません。
手順 4:S = C なら第 2 文型
動詞の後ろに名詞や形容詞があるときは、それが目的語なのか補語なのかを確認します。
| 例 | S と後ろの語の関係 | 文型 |
|---|---|---|
| He became a teacher. | He = a teacher | SVC |
| He met a teacher. | He ≠ a teacher | SVO |
第 2 文型と第 3 文型を見分けるときは、S = C の関係 があるかを必ず確認しましょう。
手順 5:O = C なら第 5 文型
動詞の後ろに 2 つの要素が続くときは、第 4 文型か第 5 文型の可能性があります。
第 5 文型を見抜けないと、和訳を間違えやすくなります。
| × 誤訳 | 〇 正訳 |
|---|---|
| I found the book interesting. →「私はおもしろい本を見つけた」 |
→「私はその本がおもしろいとわかった」 |
「おもしろい本を見つけた」と言いたいなら、I found an interesting book.(an interesting book 全体が O)と語順が変わります。
手順 6:SVOO と SVOC を見分ける
第 4 文型 SVOO と第 5 文型 SVOC は、見分けが必須です。
| 例 | 後ろ 2 語の関係 | 文型 |
|---|---|---|
| He gave me a present. | me ≠ a present | SVOO |
| He made me happy. | me = happy | SVOC |
| She found me a seat. | me ≠ a seat | SVOO |
| She found the seat comfortable. | the seat = comfortable | SVOC |
make / find は両方の文型で使えるので、後ろ 2 語の関係を必ず確認。
手順 7:C の形を確認する(特に第 5 文型)
第 5 文型では、C にいろいろな形が入ります。
| C の形 | 関係 | 例 |
|---|---|---|
| 名詞 | O = C | We call him Ken. |
| 形容詞 | O = C | The story made me sad. |
| to 不定詞 | O が C する | I want you to stay here. |
| 動詞の原形 | O が C する(能動) | I saw him cross the street. |
| 現在分詞 | O が C している(進行中) | I saw him crossing the street. |
| 過去分詞 | O が C される(受動) | I heard my name called. |
第 5 文型では、O と C の関係が 能動なのか受動なのか も確認しましょう。
大学受験で問われる重要ポイント
ポイント 1:長い主語を正しく見抜く
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| S | The book(written by … が修飾) |
| V | is |
| C | very popular |
文の骨組み: The book is very popular.(第 2 文型 SVC)
ここで written を文全体の動詞だと思わないこと。written は過去分詞で、The book を修飾しています。
ポイント 2:準動詞を文全体の V と間違えない
to 不定詞・分詞・動名詞は、文全体の動詞 V ではないことがあります。
| 例 | 動詞 V | 文型 |
|---|---|---|
| The man standing near the door is our teacher. | is | SVC |
| To study English every day is important. | is | SVC(主語が To study …) |
| Reading books is fun. | is | SVC(主語が Reading …) |
V は主節の中心動詞。準動詞(standing / to study / reading)は修飾・主語・補語の役割です。
ポイント 3:be 動詞の後ろが必ず C とは限らない
| 例 | be 動詞の後ろ | 文型 |
|---|---|---|
| She is a student. | 名詞(S = C) | SVC |
| She is in the classroom. | 前置詞句(場所) | SV + M |
She = in the classroom ではありません。be 動詞 + 前置詞句なら、修飾語 M として扱います。
ポイント 4:自動詞と他動詞を区別する
| 自動詞 + 前置詞 | 他動詞 | 意味 |
|---|---|---|
| arrive at / in 場所 | reach 場所 | 〜に到着する |
| listen to 音 | hear 音 | 〜を聞く |
| look at もの | see / watch もの | 〜を見る |
| talk about 内容 | discuss 内容 | 〜について話す |
| go into 場所 | enter 場所 | 〜に入る |
| reply to 質問 | answer 質問 | 〜に答える |
| be similar to 人 | resemble 人 | 〜に似ている |
| get married to 人 | marry 人 | 〜と結婚する |
英語では、日本語訳ではなく、動詞がどの形を取るか を見ることが大切です。
ポイント 5:第 4 文型の to / for / of 書き換え
| グループ | 動詞 | 前置詞 |
|---|---|---|
| to グループ | give / send / lend / show / tell / teach / pass / hand | to |
| for グループ | buy / make / cook / get / find / choose | for |
| of グループ | ask | of |
- to = 相手に届く
- for = 相手のため
- of = 相手から取り出す
ポイント 6:使役動詞・知覚動詞の形
| 動詞 | 後ろの形 | 受動態 |
|---|---|---|
| make O do | 原形 | be made to do |
| let O do | 原形 | (受動態は使わない) |
| have O do | 原形 | (文脈による) |
| get O to do | to 不定詞 | — |
| help O (to) do | 原形 or to | — |
| see / hear O do | 原形 | be seen / heard to do |
| see / hear O doing | 現在分詞(進行中) | — |
| see / hear O done | 過去分詞(受動) | — |
× The teacher made me to read the book.
〇 The teacher made me read the book.
ただし受動態では to が戻る:
〇 I was made to read the book.
ポイント 7:形式目的語 it の第 5 文型
形は find / think / make + it + C + to do / that 節。
| 例 | 解釈 |
|---|---|
| I found it difficult to solve the problem. | その問題を解くのが難しいとわかった |
| He made it clear that he was against the plan. | 計画に反対だと明らかにした |
整序問題で頻出です。
よくある間違い
間違い 1:修飾語 M を文型に入れてしまう
× He lives in Tokyo. を SVO と考える
〇 SV + M(in Tokyo は M)
間違い 2:動詞の後ろの名詞をすべて目的語だと思う
× He became a teacher. の a teacher を O と考える
〇 a teacher は 補語 C(He = a teacher)
一方、He met a teacher. では a teacher は O。
間違い 3:第 4 文型と第 5 文型を混同する
× He made me happy. を SVOO と考える
〇 SVOC(me = happy)
一方、He made me a chair. は SVOO(me ≠ a chair)。
間違い 4:補語に副詞を使ってしまう
× She looks happily.
〇 She looks happy.
She smiled happily. なら happily は M(第 1 文型)。
間違い 5:他動詞に不要な前置詞をつける
× We discussed about the problem.
〇 We discussed the problem.(discuss は他動詞)
talk は自動詞: 〇 We talked about the problem.
間違い 6:自動詞を受動態にする
× The accident was happened yesterday.
〇 The accident happened yesterday.
happen / occur / take place は自動詞なので受動態にしません。
間違い 7:find O C を誤訳する
× I found the test easy. を「簡単なテストを見つけた」と訳す
〇 「そのテストが簡単だとわかった」(the test = easy → SVOC)
「簡単なテストを見つけた」なら I found an easy test.
間違い 8:使役動詞・知覚動詞に to を入れる
× My teacher made me to rewrite the essay.
〇 My teacher made me rewrite the essay.
× I saw him to cross the street.
〇 I saw him cross the street.
受動態では to が戻る:
〇 I was made to rewrite the essay.
〇 He was seen to cross the street.
まとめ
5 文型の見分け方で大切なのは、英文の骨組みを取り出す ことです。
文型判断の流れ
- S と V を見つける
- M を外す
- 動詞の後ろに何があるかを見る
- O か C かを判断する(イコール関係を確認)
文型早見表
| 文型 | 形 | キー判別 | 例 |
|---|---|---|---|
| 第 1 文型 | S + V | 後ろに O も C もない | He runs. |
| 第 2 文型 | S + V + C | S = C | She is kind. |
| 第 3 文型 | S + V + O | O は動作の対象 | I read a book. |
| 第 4 文型 | S + V + O1 + O2 | O1 ≠ O2 | He gave me a book. |
| 第 5 文型 | S + V + O + C | O = C | She made me happy. |
大学受験で重要なポイント
- 修飾語 M を文型に入れない
- 前置詞の後ろの名詞 を、文型上の O と混同しない
- S = C なら第 2 文型
- O が動作の対象 なら第 3 文型
- O1 ≠ O2 なら第 4 文型、O = C なら第 5 文型
- 自動詞と他動詞 を区別する(arrive / reach、discuss / talk about など)
- 第 4 文型の書き換えでは to / for / of を使い分ける
- 使役動詞・知覚動詞では 原形・現在分詞・過去分詞 の違いを見る
5 文型は、単なる文法用語ではありません。
- 長文読解では、単語の意味だけでなく、文の構造をつかむ ための道具
- 整序英作文では、語順の根拠
- 和訳問題では、目的語と補語の違いが 訳の正確さ を左右する
文型を見分けるときは、いつも次の流れを意識しましょう。
S と V を見つける → M を外す → O か C かを判断する → イコール関係を確認する
この流れが身につけば、5 文型は暗記ではなく、英文を読むための 実戦的な武器 になります。
第 1 章「品詞と文型」全 12 記事 完成
この記事で、第 1 章「品詞と文型」のすべての記事が出揃いました。
| # | タイトル |
|---|---|
| 01 | 英語の品詞とは?9 品詞を整理する |
| 02 | S・V・O・C・M とは? |
| 03 | 第 1 文型 SV |
| 04 | 第 2 文型 SVC |
| 05 | 第 3 文型 SVO |
| 06 | 第 4 文型 SVOO |
| 07 | 第 5 文型 SVOC |
| 08 | 自動詞と他動詞の違い |
| 09 | 目的語 O と補語 C の見分け方 |
| 10 | 第 4 文型の書き換え(to / for / of) |
| 11 | 第 5 文型の重要構文(使役動詞・知覚動詞) |
| 12 | 5 文型の見分け方まとめ ← 今ここ |
ここまでで、英文の 骨組み(9 品詞・5 つの文型・自動詞 / 他動詞・O と C の判別・書き換え・使役 / 知覚動詞)が一通り見えるようになりました。次の章では、英語の動詞が表す 「いつ」「どう続いているか」 を整理する 時制 に進みます。
この章の進行
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第 1 章はここで完結。次章は 第 2 章 時制 です。
