導入
5 文型を学ぶうえで、多くの受験生がつまずくのが 目的語 O と補語 C の違い です。
特に、第 2 文型 SVC、第 3 文型 SVO、第 5 文型 SVOC を見分けるには、O と C の区別が欠かせません。
たとえば、次の 2 つの文を見てください。
| 例文 | S と後ろの語の関係 | 後ろの語の役割 |
|---|---|---|
| She became a teacher. | She = a teacher | 補語 C |
| She met a teacher. | She ≠ a teacher | 目的語 O |
どちらも動詞の後ろに a teacher という名詞があります。しかし、1 つ目は 補語 C、2 つ目は 目的語 O です。
また、次の 2 つも重要です。
| 例文 | 後ろの 2 語の関係 | 文型 |
|---|---|---|
| He gave me a book. | me ≠ a book | 第 4 文型 SVOO |
| He made me happy. | me = happy | 第 5 文型 SVOC |
この記事では、目的語 O と補語 C の違いを、大学受験で使える形で 横断的に 整理します。流れは次の通りです。
- 単元の中心イメージ — O と C の本質的な違い
- 基本用法(O と C の概要) — それぞれの役割と判別の核
- 応用例と判別のコツ — 各文型での見抜き方
- 大学受験で問われる重要ポイント — 入試で狙われる判別ルール
- よくある間違い — 受験生がやりがちなミス
これまでに学んだ 第 2 文型 SVC、第 3 文型 SVO、第 4 文型 SVOO、第 5 文型 SVOC を横断するレビュー記事です。
単元の中心イメージ
目的語 O と補語 C の中心イメージは、次のように考えるとわかりやすいです。
| 記号 | 性質 | 訳のイメージ |
|---|---|---|
| O(目的語) | 動作の対象 | 「何を」「誰を」 |
| C(補語) | S や O を 説明する語 | S は C である/O が C である |
O は動作の対象、C はイコール関係
つまり、O と C を見分けるポイントは、
- O:動作の対象
- C:S や O の説明(イコール関係)
です。
文型判別の核
実戦的には、次の 3 つで判断します。
| 関係 | 文型 |
|---|---|
| S = C | 第 2 文型 SVC |
| 動詞の直後の名詞が S と ≠(その名詞が動作の対象) | 第 3 文型 SVO(または第 4 文型 SVOO) |
| O = C | 第 5 文型 SVOC |
基本用法(O と C の概要)
目的語 O とは
目的語 O は、動詞の動作や働きの 対象 になる語です。基本的に、第 3 文型 SVO・第 4 文型 SVOO・第 5 文型 SVOC に出てきます。
目的語には、名詞・代名詞・動名詞・to 不定詞・that 節・wh 節 などが入ります。
| 目的語の形 | 例 |
|---|---|
| 名詞 | I read a book. |
| 代名詞 | He helped me. |
| 動名詞 | I enjoy reading books. |
| to 不定詞 | I decided to study abroad. |
| that 節 | I know that he is honest. |
| wh 節 | I don’t know what he wants. |
目的語は 「動作の対象」 であり、基本的に主語や他の語と イコール関係にはなりません。
補語 C とは
補語 C は、主語 S や目的語 O の 説明を補う語 です。補語には、大きく 2 種類あります。
| 種類 | 役割 | 文型 |
|---|---|---|
| 主語の補語 | S を説明(S = C) | 第 2 文型 SVC |
| 目的語の補語 | O を説明(O = C) | 第 5 文型 SVOC |
補語には、名詞・形容詞 がよく使われます。また、第 5 文型では to 不定詞・動詞の原形・現在分詞・過去分詞 も補語になります。
| 補語の形 | 例 |
|---|---|
| 名詞 | He became a doctor. |
| 形容詞 | She looks happy. |
| to 不定詞(SVOC) | I want you to help me. |
| 動詞の原形(SVOC) | I saw him run. |
| 現在分詞(SVOC) | I saw him running. |
| 過去分詞(SVOC) | I heard my name called. |
応用例と判別のコツ
ここからは、各文型での O と C の見抜き方を整理していきます。
① 第 2 文型 SVC:S = C を確認する
第 2 文型では、C が 主語 S を説明 します。
動詞の後ろに名詞があるからといって、必ず目的語になるわけではありません。
| 例文 | 関係 | 文型 |
|---|---|---|
| He became a teacher. | He = a teacher | SVC |
| He met a teacher. | He ≠ a teacher | SVO |
S = C の関係 があるかどうかを確認すると、第 2 文型と第 3 文型を見分けやすくなります。
② 第 3 文型 SVO:O は動作の対象になる
第 3 文型では、O は 動作の対象 になります。S と O はイコール関係になりません。
第 3 文型では、「S が O を V する」 という形で考えるとわかりやすいです。O は「される側」「対象になるもの」であり、主語を説明する語ではありません。
③ 第 5 文型 SVOC:O = C を確認する
第 5 文型では、C が 目的語 O を説明 します。
第 5 文型では、O と C の間に次のような関係があります。
| 関係 | 例 |
|---|---|
| O が C である | We call him Ken. |
| O が C になる | He made me happy. |
| O が C する | I saw him run. |
| O が C される | I heard my name called. |
たとえば、
him と run の間に 意味上の主語・述語関係(him が run する)があります。run は目的語 him を説明する補語 C です。
④ 第 4 文型 SVOO と第 5 文型 SVOC の違い
第 4 文型と第 5 文型は、どちらも動詞の後ろに 2 つの要素が続くため、混同しやすいです。見分けは、後ろ 2 語のイコール関係 です。
| 文型 | 関係 | 例 |
|---|---|---|
| SVOO | O1 ≠ O2 | He gave me a book. |
| SVOC | O = C | He made me happy. |
| 例文 | 後ろ 2 語の関係 | 文型 |
|---|---|---|
| He gave me a book. | me ≠ a book(受け取る人 / 受け取る物) | SVOO |
| He made me happy. | me = happy(私が幸せな状態) | SVOC |
| She found me a seat. | me ≠ a seat | SVOO |
| She found the seat comfortable. | the seat = comfortable | SVOC |
⑤ 同じ動詞でも文型によって O と C が変わる
特に make / find / call などは、文型によって意味が変わります。
make の 3 文型
| 例文 | 解釈 | 文型 |
|---|---|---|
| She made a cake. | ケーキを作った | SVO |
| She made me a cake. | 私にケーキを作ってくれた(me ≠ a cake) | SVOO |
| She made me happy. | 私を幸せにした(me = happy) | SVOC |
同じ make でも、後ろの形によって文型が変わります。
find の 2 文型
| 例文 | 解釈 | 文型 |
|---|---|---|
| I found an interesting book. | おもしろい本を見つけた(全体が O) | SVO |
| I found the book interesting. | その本がおもしろいとわかった(the book = interesting) | SVOC |
語順の違いで意味が大きく変わるので注意しましょう。
⑥ 補語 C には形容詞を使うことが多い
補語 C は、主語や目的語の 状態・性質 を説明します。そのため、形容詞 がよく使われます。副詞は補語にならない ので注意です。
× She looks happily.
〇 She looks happy.(She = happy)
× The story made me sadly.
〇 The story made me sad.(me = sad)
| 形 | 文型 |
|---|---|
| look + 形容詞 | SVC(〜に見える) |
| make O + 形容詞 | SVOC(O を〜にする) |
| smile + 副詞 | SV(〜に微笑む) |
| speak + 副詞 | SV(〜に話す) |
⑦ 前置詞句は基本的に M と考える
O と C を見分けるとき、前置詞句 にも注意が必要です。前置詞の後ろに名詞があっても、それを文型上の目的語 O と考えないようにしましょう。
She = in the classroom ではないので、補語 C でもありません。
前置詞の後ろの名詞を、すぐに O と考えない という原則を押さえましょう。
大学受験で問われる重要ポイント
ポイント 1:S = C なら第 2 文型 SVC
| 例文 | 関係 | 文型 |
|---|---|---|
| He became famous. | He = famous | SVC |
| She is a doctor. | She = a doctor | SVC |
| She met a doctor. | She ≠ a doctor | SVO |
ポイント 2:O が動作の対象なら第 3 文型 SVO
| 例文 | 関係 | 文型 |
|---|---|---|
| He opened the window. | He ≠ the window(the window は対象) | SVO |
| I know the answer. | I ≠ the answer(the answer は対象) | SVO |
「S が O を V する」関係になっているかを確認しましょう。
ポイント 3:O = C なら第 5 文型 SVOC
| 例文 | 関係 | 文型 |
|---|---|---|
| We call him Ken. | him = Ken | SVOC |
| I found the test difficult. | the test = difficult | SVOC |
| The teacher made us quiet. | us = quiet | SVOC |
第 5 文型は 和訳で差がつきやすい 文型です。
× I found the test difficult. を「私は難しいテストを見つけた」と訳す
〇 「私はそのテストが難しいとわかった」
ポイント 4:SVOO と SVOC は後ろ 2 語の関係で見分ける
| 例文 | 関係 | 文型 |
|---|---|---|
| He bought me a present. | me ≠ a present | SVOO |
| He made me happy. | me = happy | SVOC |
| She found me a seat. | me ≠ a seat | SVOO |
| She found the seat comfortable. | the seat = comfortable | SVOC |
後ろに 2 つ語が続いたら、まずイコール関係を確認 しましょう。
ポイント 5:補語 C と修飾語 M を区別する
| 例文 | 後ろの語の役割 | 文型 |
|---|---|---|
| She looks happy. | C(She = happy) | SVC |
| She smiled happily. | M(smiled を修飾) | SV |
形容詞は補語になりやすく、副詞は修飾語になりやすいです。ただし、最終的には 「何を説明しているのか」 を考えることが大切です。
ポイント 6:補語 C には名詞・形容詞・準動詞が入る
第 5 文型では、C の形が多様なので、O と C の意味関係を必ず確認しましょう。
| C の形 | 例 | O と C の関係 |
|---|---|---|
| 名詞 | We call her Lisa. | her = Lisa |
| 形容詞 | The news made him angry. | him = angry |
| to 不定詞 | I want you to stay here. | you が stay here する |
| 動詞の原形 | I saw him run. | him が run する |
| 現在分詞 | I saw him running. | him が running している |
| 過去分詞 | I heard my name called. | my name が called される |
よくある間違い
間違い 1:動詞の後ろの名詞をすべて目的語だと思う
× She became a teacher. の a teacher を目的語と考える
〇 a teacher は 補語 C(She = a teacher)
動詞の後ろに名詞があるからといって、必ず目的語とは限りません。
間違い 2:SVC と SVO を日本語訳だけで判断する
| 例文 | 関係 | 文型 |
|---|---|---|
| He became a doctor. | He = a doctor | SVC |
| He met a doctor. | He ≠ a doctor | SVO |
日本語訳ではなく、イコール関係 を確認しましょう。
間違い 3:第 4 文型と第 5 文型を混同する
× He made me happy. を第 4 文型 SVOO と考える
〇 me = happy なので 第 5 文型 SVOC
一方、He made me a chair. なら me ≠ a chair なので 第 4 文型 SVOO。make は両方の文型で使える ので、必ず後ろ 2 語の関係を確認。
間違い 4:補語に副詞を使ってしまう
× She looks happily.
〇 She looks happy.
× The news made me sadly.
〇 The news made me sad.
補語 C には 形容詞 を使います。
間違い 5:find O C を find O と混同する
| 例文 | 解釈 | 文型 |
|---|---|---|
| I found the book interesting. | その本がおもしろいとわかった | SVOC |
| I found an interesting book. | おもしろい本を見つけた | SVO |
語順と意味が異なります。
間違い 6:前置詞の後ろの名詞を文型上の O と考える
× He lives in Tokyo. を SVO と考える
〇 He lives in Tokyo. は SV + M(in Tokyo は M)
一方、He visited Tokyo. なら Tokyo は visited の O(SVO)。
| 形 | 文型 |
|---|---|
| live in Tokyo | SV + M |
| visit Tokyo | SVO |
間違い 7:過去分詞の補語を目的語だと考える
× I heard my name called. の called を目的語と考える
〇 called は 補語 C(my name が called される、という受動関係)
第 5 文型では、C に過去分詞が来ることがあります。O と C の関係が 「される」 になっているかを確認しましょう。
まとめ
目的語 O と補語 C の違いは、5 文型の 核心 です。
| 記号 | 性質 | 例 |
|---|---|---|
| O | 動作の対象 | I read a book. |
| C | S や O の説明(イコール関係) | She is kind. / The news made me happy. |
文型判別の核
| 関係 | 文型 |
|---|---|
| S = C | 第 2 文型 SVC |
| 動詞の直後の名詞が S と ≠(その名詞が動作の対象) | 第 3 文型 SVO |
| O1 ≠ O2 | 第 4 文型 SVOO |
| O = C | 第 5 文型 SVOC |
大学受験で重要なポイント
- 動詞の後ろの名詞が、目的語か補語か を見分ける
- SVC と SVO を区別する(S = C なら SVC)
- SVOO と SVOC を区別する(後ろ 2 語のイコール関係)
- 補語には 形容詞 を使うことが多い(副詞は補語にならない)
- find O C と find O を区別する(語順と意味が違う)
- 前置詞の後ろの名詞 を、文型上の O と混同しない
- 第 5 文型では、O と C の 能動・受動関係 を確認する(原形・現在分詞・過去分詞)
目的語 O と補語 C の違いを理解すると、第 2 文型・第 3 文型・第 4 文型・第 5 文型の区別が かなり正確 になります。
英文を読むときは、動詞の後ろにある語を見て、
- これは 動作の対象 なのか
- それとも、主語や目的語を説明しているのか
を必ず確認しましょう。
この習慣がつくと、和訳問題・整序英作文・長文読解で、英文の構造を正しくつかめるようになります。
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