否定の特殊構文

否定の特殊構文
目次

導入

否定の特殊構文は、not の位置や否定語の種類によって意味が大きく変わる分野です。

not all, not always, not necessarily の部分否定、no … without、never … without の二重否定、hardly / scarcely / rarely などの準否定語が代表です。

この記事では、全否定と部分否定、二重否定、準否定語、否定の範囲を整理します。

この記事のポイント(読了6分)
  • 部分否定
  • 全否定
  • 準否定語
  • 二重否定

基本

否定構文の中心は、not がどこまで否定しているかを確認することです。

All students did not pass the exam. は文脈によりますが、「全員が合格したわけではない」という部分否定として読まれることがあります。

No students passed. なら全否定です。

not always, not necessarily, not both などは、日本語で強く否定しすぎないよう注意します。

意味 注意
not all すべてが〜とは限らない Not all students agree. 部分否定
not always いつも〜とは限らない He is not always right. 部分否定
not necessarily 必ずしも〜ではない It is not necessarily true. 頻出
no / none まったく〜ない No students agreed. 全否定
never … without 〜すれば必ず… I never see this photo without thinking of her. 二重否定
hardly / rarely ほとんど〜ない He hardly speaks. 準否定語

部分否定

not all, not every, not both, not always, not necessarily は「全部が〜ではない」「いつも〜ではない」「必ずしも〜ではない」を表します。

完全に否定するのではなく、一部は当てはまらないという意味です。

Not all students like grammar.
すべての生徒が文法を好きなわけではない。
He is not always kind.
彼はいつも親切とは限らない。
Expensive things are not necessarily good.
高いものが必ずしも良いとは限らない。

全否定

no, none, nobody, nothing, never などは全否定を表します。

No students were absent. は「欠席した生徒は1人もいなかった」です。not all とは意味が違います。

No one knew the answer.
誰も答えを知らなかった。
None of the money was left.
お金はまったく残っていなかった。
I have never been abroad.
一度も海外に行ったことがない。

準否定語

hardly, scarcely, rarely, seldom, few, little などは、not がなくても否定に近い意味を持ちます。

He hardly speaks. は「彼はほとんど話さない」です。否定の意味を含むため、さらに not を重ねないように注意します。

She rarely goes out at night.
彼女は夜めったに外出しない。
There is little hope.
希望はほとんどない。

判別のコツ

二重否定

二重否定は、否定が2つ重なって肯定的な意味を表すことがあります。

There is no rule without exceptions. は「例外のない規則はない」、つまり「どんな規則にも例外がある」です。

No one can succeed without effort.
努力なしに成功できる人はいない。
I never see this picture without remembering my childhood.
この写真を見ると必ず子どもの頃を思い出す。

否定の範囲

not は、文全体を否定する場合もあれば、直後の語句だけを否定する場合もあります。

I did not go there because I was tired. は、「疲れていたから行かなかった」とも、「疲れていたから行ったのではない」とも読める場合があります。

文脈で判断します。

I did not say that he was wrong.
not が否定するのは say(「そうは言っていない」)。「彼は間違っていないと言った」という意味にはなりません。
I trusted him not because he was rich but because he was honest.
金持ちだからではなく正直だから。

否定語句による倒置との関係

否定語句が文頭に出ると、倒置が起こることがあります。

Never have I seen such a thing. / Little did I know the truth. のように、否定構文と倒置はつながっています。

Rarely does he complain.
めったに不満を言わない。倒置。
Not until yesterday did I learn the truth.
昨日までその事実を知らなかった。倒置。

よくある間違い

間違い 1

不自然Not all students did not pass the exam.(「全員が合格したわけではない」のつもりで)
正しくはNot all students passed the exam.
理由すべてが合格したわけではない、なら not all + 肯定動詞で表せます。

間違い 2

誤りHe does not hardly speak.
正しくはHe hardly speaks.
理由hardly に否定の意味があるので、not を重ねません。

間違い 3

誤りThis is not necessarily false. を「必ず誤りではない」と訳す
正しくはThis is not necessarily false. = これは必ずしも誤りとは限らない。
理由not necessarily は部分否定です。

まとめ

否定の特殊構文では、否定の範囲、部分否定、全否定、二重否定、準否定語を区別します。

not all / not necessarily を強く否定しすぎないこと、hardly などに not を重ねないことが重要です。


この章の進行

次は、特殊構文の中でも 無生物主語構文 を整理します。


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この記事を書いた人

大学受験英語の専任講師。指導歴9年・のべ1,500人以上を指導。TOEIC990点(満点)・英検1級・登録日本語教員。英文法・英文解釈・英作文を「順番につなげて」学べるよう、問題演習を中心にわかりやすい解説を発信しています。

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