不定詞と動名詞の基本差

不定詞と動名詞の基本差
目次

導入

不定詞と動名詞は、どちらも「〜すること」と訳せるため、混同しやすい単元です。

しかし、to do と doing は同じではありません。使う動詞が違うだけでなく、未来志向か、経験・一般論かという意味の差が出ることがあります。

この記事では、大学受験で使える範囲に絞って、to do と doing の基本イメージを整理します。

この記事のポイント(読了6分)
  • to do はこれからの行為と相性がよい
  • doing は経験や実際の行為と相性がよい
  • 同じ日本語訳でも形は動詞で決まる
  • 動詞の意味と目的語の時間関係を見る

基本

不定詞は、これからすること、目的、方向性と結びつきやすい形です。

動名詞は、すでにしていること、実際の経験、一般的な行為と結びつきやすい形です。ただし、すべてをこのイメージだけで決めず、動詞ごとの相性も必ず確認します。

中心イメージ 注意
to do これから・目的・方向 I decided to study. decide は to do
doing 実際の行為・経験・一般論 I enjoyed studying. enjoy は doing
両方可 意味が近い場合もある start to rain / start raining 動詞による
意味が変わる 時点や意図が変わる remember to do / remember doing 頻出(詳しくは「意味が変わる動詞」の記事で)

to do はこれからの行為と相性がよい

want, hope, decide, plan, promise, agree などは、これからすることに向かう意味を持つため、不定詞を取りやすい動詞です。

語呂で覚える
ウィデデデ・アオイ・プリプリ・ホラミーシー
目的語に不定詞(to do)だけをとる動詞
ウィ=wish/=desire/=decide/=determine/=agree/=offer/=expect/=pretend/=refuse/=promise/=resolve/=hope/=learn/ミー=mean/シー=seek
※ mean は「〜するつもり」の意味で to do。mean doing(〜を意味する)は別の意味なので、動名詞も取ります。
どれも「これから(未来)する事」に向かう動詞。頻出の want / plan / manage / afford も to do をとる。
to do(不定詞) doing(動名詞)
これからすること・未来志向 すでにしたこと・経験・習慣
remember to do = 忘れずに〜する remember doing = 〜したことを覚えている

I decided to study abroad. では、study abroad は決めた時点ではまだ実行されていない行為です。

I hope to see you again.
これから会うことを望んでいる。
She promised to help me.
これから助けると約束した。

doing は経験や実際の行為と相性がよい

enjoy, finish, avoid, admit, deny などは、実際にすること、したこと、避ける行為を目的語に取るため、動名詞と相性がよいです。

I enjoyed talking with her. では、talking with her は実際に行った行為として扱われています。

I enjoyed talking with her.
話したことを楽しんだ。
He admitted telling a lie.
嘘をついたことを認めた。

同じ日本語訳でも形は動詞で決まる

「〜すること」と訳せるからといって、to do と doing を自由に入れ替えられるわけではありません。

I want to read this book. は自然ですが I want reading this book. は普通ではありません。

I enjoy reading this book. は自然ですが I enjoy to read this book. は誤りです。

I want to read this book.
want は to do。
I enjoy reading this book.
enjoy は doing。

判別のコツ

動詞の意味と目的語の時間関係を見る

to do / doing の違いは、動詞の意味と目的語の時間関係を見ると理解しやすくなります。

decide to do では、決めた後に do が来ます。

finish doing では、doing していた行為が終わります。

avoid doing では、起こりうる行為を避けます。

She decided to leave early.
決めた後に出発する。
She finished packing her bag.
荷造りしていた行為を終えた。

主語で使う場合のニュアンス

主語になる場合、動名詞は一般論や経験として自然に使われることが多く、不定詞はやや形式的・目的志向に響くことがあります。

Learning English is useful. は一般的な行為として自然です。

To learn English is useful. も文法的には正しいですが、現代英語では It is useful to learn English. の方が自然な場合が多いです。

Learning English takes time.
一般論として自然。
It is important to learn English.
仮主語 it を使うと自然。

イメージだけで決めない

to do は未来、doing は過去とだけ覚えると危険です。

like doing / like to do のように両方使える動詞もあり、begin to do / begin doing のように意味差が小さい場合もあります。

最終的には、動詞ごとの型と意味差をセットで覚える必要があります。

It started raining.
雨が降り始めた。
It started to rain.
雨が降り始めた。意味差は小さい。

よくある間違い

間違い 1

誤りI decided studying abroad.
正しくはI decided to study abroad.
理由decide はこれからすることに向かうので to do を取ります。

間違い 2

誤りI finished to write the report.
正しくはI finished writing the report.
理由finish は動名詞を目的語に取ります。

間違い 3

誤りTo learning English is useful.
正しくはLearning English is useful.
理由主語として使うなら動名詞、または To learn English にします。

まとめ

不定詞と動名詞は、どちらも名詞的に働きますが、to do はこれからの方向、doing は実際の行為・経験・一般論と結びつきやすい形です。

ただし、イメージだけで決めず、後ろにどちらを取る動詞かを必ず確認しましょう。


この章の進行

次は、動名詞の中でも 両方を取る動詞 を整理します。


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この記事を書いた人

大学受験英語の専任講師。指導歴9年・のべ1,500人以上を指導。TOEIC990点(満点)・英検1級・登録日本語教員。英文法・英文解釈・英作文を「順番につなげて」学べるよう、問題演習を中心にわかりやすい解説を発信しています。

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