「関関同立の英語って、どのくらい難しいのですか」「同志社と関大では対策を変えるべきですか」——授業でよく受ける質問です。関関同立の英語は、4大学それぞれに色がありますが、求められる土台は驚くほど共通しています。この記事では、指導歴9年・のべ1,500人以上を教えてきた立場から、4大学の傾向の違いと、共通して固めるべき土台、そして時期別の進め方まで、順番に整理します。志望校が1つに決まっている人も、併願を考えている人も、この記事を読めば「今、何をすべきか」が見えるはずです。
関関同立の英語の全体像
まず、4大学に共通する試験の性格から押さえましょう。
関関同立の英語は、概ねマーク式が中心で、長文読解の分量が多いという傾向があります。制限時間に対して読む量が多いため、1文ずつゆっくり訳している余裕はありません。速く正確に読む力が、そのまま得点に直結します。
そしてもう1つの柱が、語彙・文法の正確さです。長文の空所補充も、下線部の言い換えも、文法・語法の独立問題も、結局は「単語と文法を正確に知っているか」を聞いています。フィーリングで解ける問題は多くありません。
合否を分けるのは、難問ではなく標準問題です。関関同立の入試では、受験生の大半が解ける標準レベルの問題が多くを占める傾向があります。つまり、奇問対策よりも、標準問題を取りこぼさない正確さが合格への最短ルートです。ここを勘違いして難問集に手を出し、基礎に穴を残したまま本番を迎える受験生を、私は何人も見てきました。
関関同立の英語・3つの共通点
- 概ねマーク式中心・長文の分量が多い
- 語彙・文法の「正確な知識」がそのまま得点になる
- 合否を分けるのは難問ではなく標準問題の正答率
出題傾向|4大学の違い
共通の土台の上に、大学ごとの色があります。まず全体を表で比較します。なお、出題形式や大問構成は年度・学部・入試方式によって変わります。ここに書くのはあくまで「近年の傾向」であり、必ず最新の募集要項と過去問で確認してください。
| 大学 | 形式の傾向 | 特徴的な出題 | 特に問われる力 |
|---|---|---|---|
| 同志社 | マーク中心+記述併用の傾向 | 下線部和訳・和文英訳が課される傾向。文章量・語彙レベルは4大学の中でも高め | 精読力・記述力・語彙力 |
| 立命館 | マーク式中心の傾向 | 長文に加え、文法・語彙の独立問題の比重が大きい傾向 | 文法・語彙の網羅的な正確さ |
| 関西学院 | 全学部日程はマーク中心/学部個別日程は記述も混じる傾向 | 長文・文法語法・会話文・整序など幅広い形式。学部個別では英文和訳などの記述も出る傾向 | 穴のない標準力 |
| 関西 | マーク式中心の傾向 | 段落整序(文の並べ替え)や空所補充など、文章の流れを問う形式が特徴的 | 論理の流れをつかむ読解力 |
それぞれ、もう少し詳しく見ていきます。
同志社大学|記述併用・4大学で最難とされることが多い
同志社の英語は、関関同立の中で最も難しいと言われることが多い試験です。マーク式が中心ですが、下線部和訳や和文英訳といった記述問題が併用される傾向があり、ここが他の3大学との大きな違いです。
文章量が多く、語彙レベルも高めです。ただし、設問自体は本文を正確に読めていれば解けるものが中心で、ひねった出題は多くありません。つまり「難しい英文を、正確に読み切る力」が問われます。記述対策としては、構文を正確に取る英文解釈の訓練と、日本語を英語にしやすい形へ言い換える和文和訳の技術の両方が必要です。
立命館大学|文法・語彙の比重が大きい
立命館の英語は、長文読解に加えて、文法・語彙を独立した大問で問う比重が大きい傾向があります。マーク式中心で記述の負担は軽い一方、知識の正確さがストレートに得点差になります。
「なんとなく読める」レベルの受験生と、「文法・語法を正確に覚えている」受験生の差が、4大学の中で最もはっきり出るタイプの試験です。文法の知識を毎日少しずつ確認する習慣が、そのまま立命館対策になります。
関西学院大学|バランス型・穴が命取り
関学の英語は、長文・文法語法・会話文・整序形式など、幅広い形式をバランスよく出題する傾向があります。1つ1つの問題は標準的ですが、形式が幅広いぶん、苦手分野があるとそこで確実に失点します。
特別な対策というより、「全範囲を標準レベルで固める」ことがそのまま関学対策です。文法は5文型の見分け方のような基本から、関係詞のような頻出単元まで、抜けなく仕上げましょう。
関西大学|文章の流れを問う独特の形式
関大の英語は、段落整序(バラバラになった段落・文を正しい順に並べる形式)や空所補充など、文章の論理展開を問う出題が特徴的です。単語と文法を知っているだけでは解けず、「この段落の次に来るのはどれか」を根拠を持って判断する力が要ります。
この形式に強くなる鍵は2つです。1つは、However や For example といったディスコースマーカー(論理の道しるべ)の読み方。もう1つは、this や they が何を指すかを正確に追う指示語の追い方です。段落のつながりは、この2つでほぼ判断できます。
領域別の対策|共通する土台の固め方
4大学の色は違っても、土台は同じです。順序としては「文法 → 英文解釈 → 長文・形式対策」が合理的です。
文法・語法|全大学の得点源であり、読解の土台
文法は、文法問題のためだけにあるのではありません。長文を速く正確に読むための土台です。まずS・V・O・C・M という文の要素から始めて、時制・準動詞・関係詞・比較といった主要単元を一通り固めましょう。
知識は「一度理解する」だけでは試験で使えません。毎日少しずつ確認して、反射的に出てくるレベルまで上げることが大切です。当サイトの毎日クイズ(初級から3レベル)は、1回3分で文法・熟語・単語を確認できるように作ってあります。立命館・関学志望の人には特に効果的です。
語彙については、まず標準的な大学受験用の単語帳を1冊、確実に仕上げることが先決です。1冊目が固まる前に2冊目へ手を出すのは遠回りです。同志社のように語彙レベルが高めの文章を出す大学を受ける場合でも、まずは1冊を「見た瞬間に意味が出る」水準まで往復するほうが、結果として速く仕上がります。そのうえで余力があれば、過去問で出会った未知語をノートに拾っていく方式が実戦的です。
英文解釈・長文読解|速読は「正確な精読」の先にある
「速読力が必要」と聞くと、飛ばし読みの練習を始める人がいますが、これは順序が逆です。速読とは、正確に読む動作が速くなった状態のことです。まず1文レベルで主語と動詞を素早く見つける訓練から始めて、構文を取る精度を上げましょう。
1文が正確に読めるようになったら、段落単位の読み方に進みます。パラグラフリーディングの基本を身につけると、長い文章でも「各段落の言いたいこと」を拾いながら読めるようになり、読むスピードが上がります。これは4大学すべてで効きますが、段落整序を出す関大では特に武器になります。
英作文・記述|同志社志望は早めに着手
同志社志望の人は、和文英訳の対策を後回しにしないでください。英作文は添削と書き直しに時間がかかるため、直前期からの着手では間に合いにくい領域です。まず日本人がやりがちな英作文ミス(冠詞・単複・時制)を点検し、日本語をそのまま英語にせず言い換えてから書く習慣をつけましょう。
関学などで出題される整序形式(語句の並べ替え)も、実は英作文の力とつながっています。「正しい語順で英文を組み立てる」という点で同じ力を使うからです。マーク式だからといって、書く練習が無駄になることはありません。
時期別ロードマップ
ここまでの内容を、時期別に整理します。あくまで標準的なモデルなので、現在地に合わせて前後させてください。
| 時期 | やること | 目安 |
|---|---|---|
| 高2のうち | 文法の主要単元を一通り理解する。単語帳1冊目を回し始める | 文法は「理解」段階でOK。完璧を目指さない |
| 高3春(4〜7月) | 文法の総仕上げ+英文解釈(1文の精読)に入る。単語帳1冊目を仕上げる | 夏までに「1文を正確に読める」状態へ |
| 夏(8月) | 標準レベルの長文演習を開始。志望大学の過去問を1年分だけ解き、距離を測る | この時点で解けなくてよい。形式と分量を体感する |
| 秋(9〜11月) | 長文演習の量を増やす。志望大学の形式対策(関大の段落整序・同志社の記述など)に着手 | 過去問を定期的に挟み、時間配分を作る |
| 直前期(12月〜) | 過去問中心。併願校の過去問も回す。単語・熟語・文法の最終確認を毎日続ける | 新しい教材を増やさない。穴を埋める時期 |
この順序で大切なのは、夏の終わりまでに「1文を正確に読める」状態を作ることです。ここが遅れると、秋の長文演習が「読めないまま量だけこなす」作業になってしまいます。
よくある質問
Q1. 過去問はいつから、どの大学から始めるべきですか?
本格的に回すのは秋以降で十分ですが、夏に1年分だけ解いて「現在地との距離」を測ることをおすすめします。順番は、第一志望の大学からで構いません。併願校の過去問は、直前期に形式へ慣れる目的で数年分解けば十分なことが多いです。ただし関大の段落整序のような特徴的な形式は、初見では戸惑いやすいので、受験するなら早めに一度体験しておきましょう。
Q2. 関関同立を併願する場合、大学ごとに対策を分けるべきですか?
土台づくりの段階(文法・解釈・標準長文)では、分ける必要はありません。ここまでは4大学共通です。分けるのは秋以降の形式対策だけで、同志社の記述、関大の段落整序のように、その大学特有の形式に過去問で慣れていく、という進め方が合理的です。「大学ごとに全部別の勉強」をしようとすると、どれも中途半端になります。
Q3. 英語外部試験(英検など)は使えますか?
外部試験のスコアを利用できる方式を設けている大学・学部はありますが、対象方式・基準スコア・利用方法(換算か出願資格か)は大学・学部・年度によって大きく異なります。ここは必ず最新の募集要項で確認してください。利用できる場合、早い時期にスコアを確保しておくと、直前期を英語以外の科目に回せるという利点があります。
まとめ|4大学の色より先に、共通の土台を
最後に、この記事の要点をまとめます。
- 関関同立の英語は、概ねマーク中心・長文の分量が多く、速読力と語彙・文法の正確さが問われる
- 大学ごとの色はある(同志社=記述併用で最難とされることが多い/立命館=文法・語彙の比重/関学=バランス型/関大=段落整序など流れを問う形式)が、細部は年度で変わるため必ず募集要項と過去問で確認する
- 合否を分けるのは標準問題。奇問対策より、文法 → 英文解釈 → 長文という順序で土台を固めるのが合理的
- 形式対策を分けるのは秋以降でよい。それまでの勉強は4大学共通
関関同立の英語は、正しい順序で積み上げた力が素直に反映される試験です。「何から始めればいいか分からない」という人は、まず英文解釈の全体像から読んでみてください。自分の現在地に合わせた具体的な学習計画を相談したい人は、下の無料体験もご利用ください。
