【英文法 第12章】定冠詞 the|特定・唯一・最上級・the + 形容詞を整理する

目次

導入

the は、名詞が特定できることを示す冠詞です。

前に出た名詞、状況から分かる名詞、唯一のもの、最上級、序数、楽器、the + 形容詞など、使われる場面は多くあります。

この記事では、the の中心イメージと、大学受験で頻出の the の用法を整理します。

この記事では、文法事項そのものを順番に整理します。流れは次の通りです。

  1. 単元の中心イメージ — 名詞・代名詞・冠詞をどう見るか
  2. 基本用法(定冠詞 the の概要) — まず押さえる形と意味
  3. 応用例と判別のコツ — 入試で迷いやすい使い分け
  4. 大学受験で問われる重要ポイント — 整序・空所補充・英作文で見る場所
  5. よくある間違い — 日本語の感覚に引っ張られやすい形

単元の中心イメージ

the の中心は、話し手と聞き手が「どれのことか分かる」ことです。

I saw a dog. The dog was small. の the dog は、直前に出た犬なので特定できます。Please open the window. の the window は、状況からどの窓か分かります。

the を「その」と訳すだけでは足りません。前に出たから特定、場面から特定、世界に1つだから特定、範囲の中で一番だから特定、という考え方で見ます。

用法 考え方 注意
前に出た名詞 a cat – the cat 2回目で特定 初出の a との流れを見る
状況で特定 Close the door. 場面から分かる 必ず前に出る必要はない
唯一のもの the sun / the moon 1つに決まる 文脈で唯一なら the
最上級・序数 the tallest / the first 範囲内で特定 the が必要なことが多い
the + 形容詞 the rich 〜な人々 複数扱い
楽器 play the piano 楽器名 スポーツは無冠詞が多い

基本用法(定冠詞 the の概要)

前に出た名詞を受ける

初めて出る単数可算名詞には a / an を使い、2回目以降は the で受けるのが基本です。

I found a wallet. The wallet was empty. では、2文目の the wallet は1文目の a wallet を指しています。

I met a boy and a girl. The boy was from Canada.
前に出た boy を the boy が受けます。
She bought a car. The car is red.
買ったその車。

状況から特定できるもの

前に出ていなくても、状況からどれか分かる名詞には the を使います。

教室で Open the door. と言えば、どのドアか場面で分かります。家族で the kitchen と言えば、その家の台所だと分かります。

Turn off the light.
部屋の明かりだと分かる。
Where is the bathroom?
その場所にあるトイレを尋ねています。

唯一のもの・1つに決まるもの

the sun, the moon, the earth, the sky のように、世界に1つと考えられるものには the を使います。

ただし earth は地球という固有名詞的に Earth と使うこともあります。入試では the sun / the moon を基本として押さえます。

The sun rises in the east.
太陽は1つに決まるものとして the。
Look at the sky.
目の前の空として特定されています。

応用例と判別のコツ

最上級・序数・same

最上級や序数は、範囲の中で1つに特定されるため the を伴うことが多いです。

the tallest student, the first day, the same idea のように使います。副詞の最上級では the が省略されることもありますが、形容詞の最上級では the を意識します。

She is the best player on the team.
チーム内で一番なので特定。
This is the first time I have visited Kyoto.
序数 first と the。
We have the same problem.
same は the と一緒に使うのが基本。

the + 形容詞

the + 形容詞で「〜な人々」を表すことがあります。

the rich は「裕福な人々」、the poor は「貧しい人々」、the young は「若者たち」です。普通は複数扱いになります。

The rich are not always happy.
the rich は複数扱い。
We should help the elderly.
高齢者の人々。

地理名と the

川・海・海洋・山脈・砂漠・複数形の国名などには the がつくことが多いです。

the Pacific Ocean, the Nile, the Alps, the Sahara, the United States などです。一方、単独の山や多くの国名・都市名は無冠詞が基本です。

The Nile is a long river.
川の名前には the がつきやすい。
Mt. Fuji is the highest mountain in Japan.
単独の山名 Mt. Fuji は無冠詞。
I want to visit the United States.
複数形を含む国名なので the。

大学受験で問われる重要ポイント

  • the の中心は特定できること
  • 前に出た名詞は the で受けやすい
  • 状況から分かる名詞にも the を使う
  • the sun / the moon など唯一のものに the
  • 最上級・序数・same は the と結びつきやすい
  • the + 形容詞は〜な人々で複数扱い
  • play the piano のように楽器には the がつきやすい
  • 川・海・山脈・砂漠・複数形の国名には the がつきやすい

よくある間違い

間違い 1

誤りShe is best student in our class.
正しくはShe is the best student in our class.
理由最上級で範囲内の1人に特定されるので the が必要です。

間違い 2

誤りI play piano every day.
正しくはI play the piano every day.
理由楽器を演奏する表現では the をつけるのが基本です。

間違い 3

誤りRich are not always happy.
正しくはThe rich are not always happy.
理由the + 形容詞で人々を表します。

理解を固める確認問題

最後に、この単元で迷いやすい判断ポイントを確認します。答えを開く前に、名詞の数、代名詞の指示対象、冠詞の有無を自分で一度確認してみてください。

Q1. the の中心イメージは?
どれのことか特定できることです。
Q2. the same の the は必要?
基本的に必要です。
Q3. the poor は単数扱い?複数扱い?
人々を表し、普通は複数扱いです。
Q4. Mt. Fuji に the はつく?
普通はつきません。
迷ったら:名詞は可算・不可算と単数・複数、代名詞は何を受けるか、冠詞は不特定・特定・一般論のどれかを最初に確認します。

まとめ

the は、聞き手がどれか特定できる名詞に使います。

前に出た名詞だけでなく、状況・唯一性・最上級・序数・地理名など、特定性が生まれる場面をまとめて理解しましょう。


この章の進行

次は、名詞・代名詞・冠詞の中でも 無冠詞 を整理します。


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この記事を書いた人

予備校講師・大学受験英語指導。TOEIC990点・英検1級。偏差値50〜60帯の受験生が英文法・英文解釈・英作文の力を体系的に身につけられるよう、問題解説を中心に発信しています。

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