【英文法 第3章】助動詞の全体像|can・may・must・should・will を一気に整理する

目次

導入

助動詞は、動詞の前に置いて、可能・許可・義務・推量・意志・依頼など、話し手の判断や気持ちを加える語です。

第2章の時制では、動詞が出来事の時間をどう表すかを見ました。第3章では、同じ動詞に、話し手の確信度・必要性・丁寧さ・心理的距離をどう足すかを見ます。

助動詞を丸暗記すると、can は「できる」、must は「しなければならない」、may は「かもしれない」で止まってしまいます。しかし大学受験では、同じ助動詞が複数の意味を持つこと、似た助動詞の強さが違うこと、助動詞 + have p.p. で過去への推量や後悔を表すことが問われます。

この記事では、文法事項そのものを順番に整理します。流れは次の通りです。

  1. 単元の中心イメージ — 助動詞をどう見るか
  2. 基本用法(助動詞の概要) — まず押さえる形と意味
  3. 応用例と判別のコツ — 入試で迷いやすい使い分け
  4. 大学受験で問われる重要ポイント — 整序・空所補充・読解で見る場所
  5. よくある間違い — 日本語訳に引っ張られやすい形

単元の中心イメージ

助動詞の中心イメージは、動詞そのものではなく、動詞に対する話し手の見方を足すことです。

He comes. は単に「彼が来る」という事実に近い表現です。He can come. なら「来ることができる」、He may come. なら「来るかもしれない」、He must come. なら「来るに違いない」または「来なければならない」となり、同じ come でも話し手の判断が変わります。

助動詞 中心イメージ 代表的な意味
can / could 内側にある可能性 能力・許可・依頼・可能性
may / might 許可・弱めの可能性 許可・推量・祈願・譲歩
must 話し手の強い確信・必要性 義務・強い推量
have to 外側の事情による必要性 客観的義務・必要
should / ought to 当然そうするのがよい 助言・当然・推量
will / would 意志・予測・習慣・心理的距離 未来・意志・依頼・過去の習慣

基本用法(助動詞の概要)

助動詞の後ろは動詞の原形

助動詞の基本ルールは、後ろに動詞の原形を置くことです。主語が三人称単数でも、助動詞の後ろの動詞に s はつきません。

She can speaks English. ではなく She can speak English. です。助動詞が動詞の形の変化を引き受けるため、後ろの動詞は原形になります。

She can speak English.
彼女は英語を話せます。can の後ろは speak。
He must finish the report today.
彼は今日その報告書を終えなければなりません。must の後ろは finish。

助動詞は2つ並べない

英語では、普通の助動詞を2つ連続で置くことはできません。will can のような形は使いません。

未来の可能を表したいときは will be able to、未来の義務を表したいときは will have to のように、別の表現を使います。

I will be able to join the meeting.
私はその会議に参加できるでしょう。
She will have to work late tonight.
彼女は今夜遅くまで働かなければならないでしょう。

応用例と判別のコツ

義務と推量は文脈で見分ける

must は「しなければならない」と「に違いない」の両方を表します。どちらになるかは、後ろの動詞と文脈で判断します。

You must study harder. は相手への義務です。一方、He must be tired. は「疲れているに違いない」という推量です。be tired のような状態が続くときは推量になりやすいです。

You must wear a seat belt.
シートベルトを着用しなければなりません。義務。
He must be very busy.
彼はとても忙しいに違いありません。推量。

助動詞は確信度の差を作る

推量の助動詞では、確信度が重要です。must はかなり強い確信、should は当然そうなるはず、may / might は可能性がある、cannot はありえないという方向に働きます。

選択問題では、日本語訳よりも話し手がどれくらい確信しているかを見ます。

表現 確信度 意味
must be 高い 〜に違いない
should be 中くらい 〜のはずだ
may be 低め 〜かもしれない
might be さらに控えめ ひょっとすると〜かもしれない
cannot be 否定の強い確信 〜のはずがない

丁寧さは過去形で作られることがある

could や would は、単なる過去形だけではありません。現在の依頼でも Could you …? や Would you …? と言うと、Can you …? より丁寧になります。

これは、過去形が心理的距離を作るからです。第2章で学んだ「過去形の距離感」が、助動詞にもつながっています。

Can you open the window?
窓を開けてくれる?比較的直接的。
Could you open the window?
窓を開けていただけますか。丁寧。

大学受験で問われる重要ポイント

  • 助動詞の後ろは動詞の原形
  • 助動詞を2つ並べることはできない
  • must は義務と推量を文脈で見分ける
  • can は能力だけでなく許可・可能性も表す
  • may / might は推量の確信度が低め
  • should は義務より弱く、助言・当然を表す
  • could / would は過去だけでなく丁寧表現にも使う
  • 助動詞 + have p.p. は過去への推量・後悔を表す

よくある間違い

間違い 1

誤りShe can speaks English.
正しくはShe can speak English.
理由助動詞の後ろは動詞の原形です。

間違い 2

誤りI will can go there.
正しくはI will be able to go there.
理由助動詞 will と can は並べられません。

間違い 3

誤りHe must to study harder.
正しくはHe must study harder.
理由must の後ろに to 不定詞は置きません。

間違い 4

誤りHe may be at home. を「家にいてもよい」と読む
正しくはHe may be at home. = 彼は家にいるかもしれない。
理由may + be は文脈上、推量になることが多いです。

理解を固める確認問題

最後に、この単元で迷いやすい判断ポイントを確認します。答えを開く前に、助動詞の形・意味・文脈を自分で一度考えてみてください。

Q1. 助動詞の後ろの動詞はどんな形?
原形です。三単現の s や to はつけません。
Q2. will can が使えないとき、どう言い換える?
will be able to を使います。
Q3. must be tired は義務?推量?
推量です。「疲れているに違いない」という意味です。
迷ったら:助動詞だけを一語一訳で決めず、後ろの形・文全体の意味・話し手の確信度を確認します。

まとめ

助動詞は、動詞に話し手の判断や気持ちを加える語です。後ろに動詞の原形を置く、助動詞を2つ並べない、という基本形をまず押さえます。

そのうえで、能力・許可・義務・推量・依頼・丁寧さの違いを、助動詞ごとの中心イメージから整理していきましょう。


この章の進行

ここから第 3 章「助動詞」に入ります。まずは全体像を押さえてから、個別の助動詞と重要表現へ進みます。


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この記事を書いた人

予備校講師・大学受験英語指導。TOEIC990点・英検1級。偏差値50〜60帯の受験生が英文法・英文解釈・英作文の力を体系的に身につけられるよう、問題解説を中心に発信しています。

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