導入
英文法を学ぶとき、最初に押さえておきたいのが 品詞 です。
品詞とは、単語を「働き」や「性質」によって分類したものです。
たとえば、book は名詞、run は動詞、beautiful は形容詞、quickly は副詞です。
品詞がわかると、英文の構造が見えやすくなります。
特に、次のようなことが判断しやすくなります。
- この単語は主語になれるのか。
- この単語は動詞として使われているのか。
- この語は名詞を説明しているのか。
- この語は動詞を説明しているのか。
- 前置詞の後ろには何を置くのか。
大学受験では、品詞の理解が、文型・準動詞・関係詞・比較・整序英作文などに直結します。
たとえば、次の文を見てください。
この文では、kind は形容詞です。
主語 She の性質を説明しています。
一方で、次の文を見てください。
この文では、kindly は副詞です。
speaks という動詞を説明しています。
kind と kindly は似ていますが、品詞が違うため、文の中での役割も変わります。
この記事では、英語の基本的な品詞を、大学受験に必要なレベルで整理します。
単元の中心イメージ
品詞の中心イメージは、単語そのものの種類です。
英語の単語は、文の中でそれぞれ役割を持っています。
その役割を理解するために、まず単語の種類を知る必要があります。
代表的な品詞は、次の通りです。
- 名詞
- 代名詞
- 動詞
- 形容詞
- 副詞
- 前置詞
- 接続詞
- 助動詞
- 冠詞
ここで大切なのは、品詞 と 文の要素 を混同しないことです。
品詞は、単語そのものの種類です。
文の要素は、文の中での役割です。
たとえば、book は名詞です。
しかし、book が文の中でどの役割になるかは、文によって変わります。
この文では、This book が主語 S です。
この文では、a book が目的語 O です。
この文では、a book が補語 C です。
同じ book という名詞でも、主語 S、目的語 O、補語 C になることがあります。
つまり、
- 品詞:単語の種類
- 文の要素:文の中での役割
という違いがあります。
この区別を最初に理解しておくと、5 文型の学習がかなり楽になります。
基本用法(9 品詞の概要)
名詞
名詞は、人・物・場所・考えなどを表す語です。
例:
- student
- book
- Tokyo
- happiness
- idea
名詞は、文の中で主語 S、目的語 O、補語 C になることがあります。
The student は主語 S です。
a book は目的語 O です。
a teacher は補語 C です。
名詞は、英語の文の中心になりやすい品詞です。
代名詞
代名詞は、名詞の代わりに使う語です。
例:
- I / you / he / she / it / we / they(主格)
- me / him / her / us / them(目的格)
代名詞を使うことで、同じ名詞を何度も繰り返さずに済みます。
He は Ken の代わりに使われています。
代名詞では、主格・目的格・所有格の区別が重要です。
He は主語なので主格です。
him は目的語なので目的格です。
目的語には、he ではなく him を使います。
動詞
動詞は、動作や状態を表す語です。
例:
- run / study / eat / know
- be / become
動詞は、文の中心になります。5 文型でいう V にあたります。
runs は動詞です。
knows は動詞です。
動詞には、大きく分けて一般動詞と be 動詞があります。
一般動詞は、動作や状態を表します。
study は一般動詞です。
be 動詞は、「〜である」「〜にいる」「〜の状態である」などを表します。
is は be 動詞です。
また、動詞は自動詞と他動詞に分けられます。
自動詞は、目的語を直接取らない動詞です。
arrived は自動詞です。at the station は前置詞句です。
他動詞は、目的語を直接取る動詞です。
reached は他動詞です。the station は目的語です。
形容詞
形容詞は、名詞を説明する語です。また、第 2 文型や第 5 文型では補語 C になることがあります。
例:
- kind / beautiful / interesting
- small / important / tired
まず、名詞を説明する形を見てみましょう。
beautiful は bag を説明しています。
このように、形容詞は名詞の前に置かれることが多いです。
次に、補語になる形を見てみましょう。
kind は She の性質を説明しています。She = kind なので、kind は補語 C です。
sad は me の状態を説明しています。me = sad なので、sad は補語 C です。
形容詞は、「名詞を説明する」「S や O の状態を説明する」と考えるとわかりやすいです。
副詞
副詞は、動詞・形容詞・副詞・文全体を説明する語です。
例:
- quickly / slowly / carefully
- very / often / probably
まず、動詞を説明する場合を見てみましょう。
quickly は runs を説明しています。「どのように走るのか」を表しています。
次に、形容詞を説明する場合です。
very は difficult を説明しています。
次に、副詞を説明する場合です。
very は fast を説明しています。
副詞は、文全体を説明することもあります。
Fortunately は文全体にかかっています。
形容詞と副詞の違いは、大学受験でよく問われます。
- 形容詞は名詞や補語として使われることが多い
- 副詞は動詞や形容詞などを修飾する
happy は形容詞です。She の状態を説明しています。
happily は副詞です。smiled を説明しています。
前置詞
前置詞は、名詞や代名詞の前に置かれ、場所・時間・方向・関係などを表す語です。
例:
- in / on / at
- to / from / by
- with / for / of / about
前置詞の後ろには、名詞・代名詞・動名詞などが来ます。
in は前置詞です。Tokyo は前置詞 in の後ろにあります。in Tokyo 全体で、場所を表す前置詞句になります。
to school は方向・行き先を表す前置詞句です。
for の後ろに helping という動名詞が来ています。
前置詞の後ろに動詞の原形を置くことはできません。
前置詞の後ろには、名詞の働きをする語を置くと覚えましょう。
接続詞
接続詞は、語と語、句と句、文と文をつなぐ語です。
代表的な接続詞には、and / but / or / because / if / when / although などがあります。
and は English と math をつないでいます。
but は 2 つの文をつないでいます。
because は理由を表す接続詞です。
接続詞には、大きく分けて等位接続詞と従属接続詞があります。
等位接続詞は、同じレベルの語句や文をつなぎます。
例:
- and / but / or / so
従属接続詞は、主節に従う節を作ります。
例:
- because / if / when / although
- before / after
時制の単元では、when, before, after などの接続詞が特に重要になります。
when I arrive は、時を表す副詞節です。未来の内容でも、現在形 arrive を使っています。
助動詞
助動詞は、動詞の前に置かれ、可能・義務・推量・意志などを表す語です。
例:
- can / could
- may / might
- must / should
- will / would
助動詞の後ろには、動詞の原形を置きます。
can の後ろに speak という動詞の原形が来ています。
主語が三人称単数でも、助動詞の後ろの動詞に s はつけません。
must, may, should なども同じです。
should の後ろに study という原形が来ています。
冠詞
冠詞は、名詞の前に置かれる a / an / the のことです。
- a / an:不特定の 1 つを表す
- the:特定されたものを表す
a book は、「ある 1 冊の本」という意味です。
the book は、すでに話題に出た本や、どの本か特定できる本を表します。
a と an の違いは、後ろの音です。母音で始まる音の前では an を使います。
apple は母音で始まる音なので、an を使います。
冠詞は日本語にない感覚なので難しく感じやすいですが、英語では名詞と強く結びついています。大学受験では、可算名詞・不可算名詞の単元でも重要になります。
応用例と判別のコツ
名詞は S・O・C になれる
名詞は、文の中で主語・目的語・補語になることがあります。
The dog は主語 S です。
the dog は目的語 O です。
a dog は補語 C です。
同じ名詞でも、文の中での役割が変わります。ここが、品詞と文の要素の大きな違いです。
名詞という品詞は同じでも、S になることも、O になることも、C になることもあります。
形容詞は名詞を説明する
形容詞の基本的な働きは、名詞を説明することです。
new は bag を説明しています。
careful は student を説明しています。
形容詞は、名詞の前に置かれることが多いです。ただし、be 動詞などの後ろで補語になることもあります。
new は This bag を説明する補語 C です。
つまり、形容詞には主に次の 2 つの働きがあります。
- 名詞を前から説明する
- 補語として S や O の状態を説明する
副詞は動詞や形容詞を説明する
副詞は、名詞ではなく、動詞・形容詞・副詞・文全体を説明します。
slowly は speaks を説明しています。
very は interesting を説明しています。
surprisingly は early を説明しています。
副詞は、文の意味を詳しくする修飾語 M になることが多いです。5 文型では、副詞は基本的に S・V・O・C には入りません。
He が S、runs が V、fast が M です。文型は第 1 文型 SV です。fast は文型の中心には入りません。
前置詞句は修飾語になりやすい
前置詞とその後ろの名詞のまとまりを、前置詞句と呼びます。前置詞句は、場所・時間・方法などを表し、修飾語 M になることが多いです。
in the library は場所を表す前置詞句です。文型は He studies の第 1 文型 SV です。
to school は行き先を表します。by bus は方法を表します。どちらも修飾語です。
ここで重要なのは、前置詞の後ろに名詞があっても、それを文型上の目的語 O と考えないことです。
the station は名詞ですが、at の後ろにあります。文型上の O ではありません。at the station 全体で修飾語 M です。
接続詞は文をつなぐ
接続詞は、文と文をつなぐときに重要です。
but は、2 つの文を対比してつないでいます。
because は理由を表しています。
接続詞があると、英文が長くなります。しかし、接続詞の前後で文の構造を分けて考えると読みやすくなります。
I will call you が主節です。when I get home が副詞節です。
このように、接続詞は英文の構造を分ける目印にもなります。
大学受験で問われる重要ポイント
ポイント 1:品詞と文の要素を区別する
大学受験で非常に重要なのは、品詞と文の要素を区別することです。
- 品詞:単語そのものの種類
- 文の要素:文の中での役割
book の品詞は名詞です。文の要素としては、目的語 O です。
book の品詞は同じく名詞です。しかし、文の要素としては補語 C です。
このように、同じ名詞でも役割が変わります。「名詞だから目的語」と決めつけないようにしましょう。
ポイント 2:形容詞と副詞を区別する
形容詞と副詞の区別は、正誤問題や空所補充でよく問われます。
- 形容詞:名詞や補語として使われる
- 副詞:動詞・形容詞・副詞などを説明する
happy は形容詞です。She の状態を説明しています。
look が「〜に見える」という意味のとき、後ろには補語として形容詞が来ます。
一方で、次の文では副詞を使います。
happily は smiled を説明する副詞です。
ポイント 3:前置詞の後ろは名詞の働きをする語
前置詞の後ろには、名詞・代名詞・動名詞など、名詞の働きをする語が来ます。
your help は名詞句です。
helping は動名詞です。前置詞 for の後ろなので、動詞の原形 help ではなく、動名詞 helping を使います。
前置詞の後ろでは、動詞をそのまま置かないことが大切です。
ポイント 4:助動詞の後ろは動詞の原形
助動詞の後ろには、動詞の原形を置きます。
can の後ろは swim です。主語が He でも swims にはしません。
同じように、must, should, may, will などの後ろも原形です。
must の後ろには be の原形が来ます。
ポイント 5:接続詞の後ろには節が来ることが多い
接続詞 because, if, when, although などの後ろには、主語と動詞を含む節が来ることが多いです。
because の後ろに it was raining という節があります。
if の後ろに it is sunny という節があります。
接続詞と前置詞を混同しないことも重要です。
- because:接続詞(後ろに節)
- because of:前置詞句を作る表現(後ろに名詞)
この違いは大学受験でよく問われます。
よくある間違い
間違い 1:形容詞と名詞を混同する
kindness は名詞で、「親切さ」という意味です。He の性質を説明する補語には、形容詞 kind を使います。
ただし、次の文なら kindness が使えます。
この文では、kindness は名詞として主語になっています。
間違い 2:形容詞と副詞を混同する
speaks を説明するので、副詞 well を使います。good は形容詞なので、この文では不適切です。
ただし、次の文では good が正しいです。
good は Her English を説明する補語です。
間違い 3:前置詞の後ろに動詞の原形を置く
in は前置詞です。前置詞の後ろには、名詞の働きをする語が必要です。そのため、study ではなく studying を使います。
間違い 4:助動詞の後ろに三単現の s をつける
助動詞 can の後ろは動詞の原形です。主語が She でも speaks にはしません。
間違い 5:because と because of を混同する
because の後ろには節が来ます。I missed the train は主語と動詞を含む節です。
一方、because of の後ろには名詞が来ます。
- because + 節
- because of + 名詞
間違い 6:冠詞をつけ忘れる
book は数えられる名詞です。単数で使う場合、ふつう a や the などの冠詞が必要です。
ただし、複数形なら次のように言えます。
冠詞は日本語にないため忘れやすいですが、英語では名詞の使い方として重要です。
理解を固める確認問題
品詞は、文型判断の前提になる「単語の働き」です。次の3問で、名詞・形容詞・副詞・前置詞・接続詞の区別を確認しましょう。
Q1. quickly は何を説明していますか?
Q2. because と because of は何が違いますか?
Q3. happy と happily はどう使い分けますか?
まとめ
品詞とは、単語を働きや性質によって分類したものです。英語の基本的な品詞には、次のようなものがあります。
- 名詞 / 代名詞
- 動詞
- 形容詞 / 副詞
- 前置詞 / 接続詞
- 助動詞 / 冠詞
大学受験では、特に次の点が重要です。
- 品詞と文の要素を区別する
- 名詞は S・O・C になれる
- 形容詞は名詞や補語として使われる
- 副詞は動詞・形容詞・副詞などを説明する
- 前置詞の後ろには名詞の働きをする語を置く
- 助動詞の後ろは動詞の原形にする
- because と because of の違いを押さえる
品詞は、英文法の土台です。品詞がわかると、次に学ぶ S・V・O・C・M の理解がしやすくなります。
次のページでは、文型を読むための基本記号である S・V・O・C・M を整理していきます。
この章の進行
次は、ここで身につけた品詞の感覚を使って、5 文型を読むための基本記号 S・V・O・C・M を整理していきます。
