【英文法 第6章】完了形・進行形・受動態の不定詞|to have done・to be doing・to be done

目次

導入

不定詞は to do だけではありません。to have done, to be doing, to be done, to have been done のように形を変えます。

これらは、不定詞の動作が主節と同時なのか、主節より前なのか、進行中なのか、受け身なのかを表します。

この記事では、主節との時間関係を軸に、不定詞の完了形・進行形・受動態を整理します。

この記事では、文法事項そのものを順番に整理します。流れは次の通りです。

  1. 単元の中心イメージ — 不定詞をどう見るか
  2. 基本用法(不定詞の発展形の概要) — まず押さえる形と意味
  3. 応用例と判別のコツ — 入試で迷いやすい使い分け
  4. 大学受験で問われる重要ポイント — 整序・空所補充・読解で見る場所
  5. よくある間違い — 日本語訳や to の形に引っ張られやすい形

単元の中心イメージ

不定詞の時間関係は、主節の動詞を基準にして考えます。

to do は主節と同時または未来方向、to have done は主節より前、to be doing は進行中、to be done は受動の意味を表します。

意味 見るポイント
to do 同時・未来方向 He seems to know it. 知っているようだ
to have done 主節より前 He seems to have known it. 知っていたようだ
to be doing 進行中 He seems to be sleeping. 寝ているようだ
to be done 受動 I want to be praised. ほめられたい
to have been done 完了 + 受動 The work seems to have been finished. 終えられたようだ

基本用法(不定詞の発展形の概要)

to have done は主節より前

完了不定詞 to have done は、不定詞の動作が主節の時点より前であることを表します。

He seems to have been sick yesterday. では、seems は現在ですが、病気だったのは yesterday なので to have been を使います。

He seems to know the truth.
今知っているようだ。
He seems to have known the truth.
以前から知っていたようだ。

to be doing は進行中

to be doing は、不定詞の動作が進行中であることを表します。

She seems to be studying now. は、今勉強しているようだという意味です。

She seems to be studying in her room.
彼女は部屋で勉強しているようです。
He pretended to be sleeping.
彼は寝ているふりをしました。

to be done は受動態

不定詞の中で、主語が動作を受ける側なら to be done を使います。

I want to praise. と I want to be praised. では意味が違います。後者は「ほめられたい」です。

I want to be loved.
愛されたい。
This rule needs to be changed.
この規則は変えられる必要があります。

応用例と判別のコツ

to have been done は完了 + 受動

to have been done は、不定詞の動作が主節より前に行われ、しかも主語が動作を受ける側であることを表します。

The building is said to have been built in 1900. は、建てられたのが「言われている」時点より前なので to have been built になります。

The temple is said to have been built in the 8th century.
その寺は8世紀に建てられたと言われています。
The report seems to have been written by a specialist.
その報告書は専門家によって書かれたようです。

seem / appear / be said と相性がよい

不定詞の発展形は、seem, appear, be said, be believed, be thought などとよく結びつきます。

He is said to be honest. は同時、He is said to have been honest. は過去の状態を表します。

She appears to be telling the truth.
彼女は本当のことを言っているようです。
He is said to have won the prize.
彼はその賞を取ったと言われています。

主節の時制ではなく時間関係を見る

to have done は、単に過去形を表す形ではありません。主節の時点より前かどうかを示す形です。

He seemed to have known the answer. では、seemed という過去の時点よりさらに前に知っていたことを表します。

He seems to have been busy yesterday.
現在から見て、昨日忙しかったようだ。
He seemed to have been busy the day before.
過去の時点から見て、その前日に忙しかったようだ。

主節が過去でも基準点は主節

to have done は「過去形」ではなく、主節の時点より前を表す形です。主節が現在なら現在より前、主節が過去ならその過去時点より前を表します。

He seemed to have known it. では、known の時点は seemed の時点より前です。日本語で「知っていたようだった」と訳せても、単に過去だから have done にするわけではありません。

He seems to have left already.
現在から見て、すでに出発したようだ。
He seemed to have left before noon.
過去の時点から見て、正午前に出発していたようだ。

大学受験で問われる重要ポイント

  • to do は主節と同時または未来方向
  • to have done は主節より前
  • to be doing は進行中
  • to be done は受動態
  • to have been done は完了 + 受動
  • seem / appear / be said / be believed とよく結びつく
  • 主節の時制ではなく、主節との時間関係を見る
  • to have done は絶対的な過去ではなく、主節より前を表す相対時制

よくある間違い

間違い 1

誤りHe seems to be sick yesterday.
正しくはHe seems to have been sick yesterday.
理由yesterday は主節 seems より前なので to have been を使います。

間違い 2

誤りI want to praised.
正しくはI want to be praised.
理由ほめられる側なので to be praised にします。

間違い 3

誤りShe is said to win the prize last year.
正しくはShe is said to have won the prize last year.
理由last year は言われている時点より前なので to have won です。

理解を固める確認問題

最後に、この単元で迷いやすい判断ポイントを確認します。答えを開く前に、to の後ろ、文中での働き、意味上の主語、主節との時間関係を自分で一度確認してみてください。

Q1. to have done は何を表す?
主節の時点より前のことを表します。
Q2. to be done は何の形?
不定詞の受動態です。
Q3. He seems to be sleeping. は何を表す?
今寝ているようだ、という進行中の意味です。
Q4. to have been done は何が組み合わさった形?
完了と受動です。
Q5. He seemed to have left. の have left はいつを表す?
seemed の時点より前です。
迷ったら:to の後ろが原形かを確認し、名詞的・形容詞的・副詞的用法、意味上の主語、時間関係、前置詞の有無の順に見ます。

まとめ

不定詞の発展形は、主節との時間関係と、能動・受動の関係を表します。

to have done を「過去」とだけ覚えず、主節より前という相対的な時間で判断することが重要です。


この章の進行

次は、不定詞の中でも too … to / enough to を整理します。


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この記事を書いた人

予備校講師・大学受験英語指導。TOEIC990点・英検1級。偏差値50〜60帯の受験生が英文法・英文解釈・英作文の力を体系的に身につけられるよう、問題解説を中心に発信しています。

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