by 句と行為者の省略

by 句と行為者の省略
目次

導入

受動態では by + 行為者を置くと習いますが、実際の英文では by 句がない受動態が非常に多く出てきます。

My bike was stolen. のように、誰がしたかが分からない場合、by someone をわざわざ書きません。

この記事では、by 句を置く場合、置かない場合、by 以外の前置詞を使う場合を整理します。

この記事のポイント(読了5分)
  • by 句を置く場合
  • by 句を省略する場合
  • 一般の人々は by people としない
  • by 以外の前置詞を使う受動表現

基本

by 句の役割は、動作をした人・ものを示すことです。

ただし、行為者が明らか、一般的、不明、重要でない場合は省略されるのが普通です。

状況 by 句
行為者が重要 置く The novel was written by Soseki.
行為者が不明 省略 My wallet was stolen.
行為者が一般の人々 省略 English is spoken in many countries.
行為者より結果が重要 省略 The road was closed.
原因・感情 by 以外も使う be surprised at / be known to

by 句を置く場合

by 句を置くのは、誰がしたかを言うことに意味がある場合です。作品の作者、発明者、発見者などは by 句で示されやすいです。

This picture was painted by Picasso. では、ピカソが描いたこと自体が重要なので by Picasso を置きます。

This picture was painted by Picasso.
この絵はピカソによって描かれました。
The telephone was invented by Bell.
電話はベルによって発明されました。

by 句を省略する場合

行為者が分からない、または言う必要がない場合は by 句を省略します。

My bag was stolen. では、誰が盗んだかが分からないため、by someone を付ける必要はありません。

My bag was stolen on the train.
私のかばんは電車で盗まれました。
The meeting was canceled.
会議は中止されました。

判別のコツ

一般の人々は by people としない

言語・習慣・規則などで、行為者が一般の人々だと分かる場合、by people は普通省略します。

French is spoken in Canada. は「カナダでフランス語が話されている」という事実が重要で、誰が話すかは中心ではありません。

French is spoken in Canada.
カナダではフランス語が話されています。
This rule is often ignored.
この規則はよく無視されます。

by 以外の前置詞を使う受動表現

受動態の形でも、前置詞が by にならない表現があります。感情・状態・材料・原因を表す場合は at, with, in, to, for などを使います。

be surprised at, be interested in, be covered with, be known to, be made of などはまとまりで覚えます。

I was surprised at the news.
私はその知らせに驚きました。
The mountain was covered with snow.
その山は雪で覆われていました。

by と with の違い

by は行為者、with は道具・材料・付帯しているものを表すことが多いです。

The window was broken by the boy. は行為者が少年。

The window was broken with a stone. は道具が石です。

The window was broken by the boy.
その窓は少年によって割られました。
The window was broken with a stone.
その窓は石で割られました。

よくある間違い

間違い 1

不自然English is spoken by people in Australia.
正しくはEnglish is spoken in Australia.
理由文法的には可能ですが、一般の人々は明らかなので by people は普通省略します。

間違い 2

誤りI was surprised by the news. だけが正しいと考える
正しくはI was surprised at the news. も自然です。
理由感情の原因では at を使う表現がよくあります。

間違い 3

不自然The window was broken by a stone.(道具として石を使った意味で)
正しくはThe window was broken with a stone.
理由道具として使ったことを明示するなら with が明確です。by a stone は原因という解釈になりえます。

まとめ

受動態では by 句を機械的に付けるのではなく、行為者を示す必要があるかを判断します。

by 以外の前置詞を取る受動表現も多いため、意味とセットで整理しましょう。


この章の進行

次は、受動態の中でも 受動態の時制 を整理します。


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この記事を書いた人

大学受験英語の専任講師。指導歴9年・のべ1,500人以上を指導。TOEIC990点(満点)・英検1級・登録日本語教員。英文法・英文解釈・英作文を「順番につなげて」学べるよう、問題演習を中心にわかりやすい解説を発信しています。

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