助動詞の慣用表現

助動詞の慣用表現
目次

導入

助動詞には、単語単体の意味だけでは処理しにくい慣用表現が多くあります。

cannot help doing, cannot … too, may well, may as well, would rather, had better などは、大学受験で非常によく出ます。

これらは直訳では崩れやすいため、表現全体の意味と後ろに続く形をセットで覚える必要があります。

この記事のポイント(読了6分)
  • cannot help doing
  • cannot … too
  • may well / may as well
  • would rather do

基本

助動詞の慣用表現は、助動詞本来の意味が残りながら、全体で決まった意味を作ります。

cannot help doing は「〜せずにはいられない」、cannot … too は「いくら〜してもしすぎることはない」のように、単語を一つずつ訳すより表現単位で処理します。

表現 意味 後ろの形
cannot help doing 〜せずにはいられない 動名詞
cannot but do 〜せざるをえない(やや古風。現代では cannot help doing が普通) 動詞の原形
cannot … too いくら〜してもしすぎることはない 形容詞・副詞など
may well do 〜するのももっともだ 動詞の原形
may as well do 〜したほうがよい 動詞の原形
would rather do むしろ〜したい 動詞の原形
had better do 〜したほうがよい 動詞の原形

cannot help doing

cannot help doing は「〜せずにはいられない」という意味です。help はここでは「助ける」ではなく「避ける」に近い意味です。

後ろは動名詞です。cannot help to laugh ではなく cannot help laughing になります。

I couldn't help laughing.
私は笑わずにはいられませんでした。
She cannot help worrying about her son.
彼女は息子のことを心配せずにはいられません。

cannot … too

cannot … too は「いくら〜してもしすぎることはない」という意味です。

You cannot be too careful. は「注意しすぎることはできない」ではなく、「いくら注意してもしすぎることはない」です。

You cannot be too careful when you drive.
運転するときはいくら注意してもしすぎることはありません。
We cannot praise him too much.
私たちは彼をいくらほめてもほめすぎることはありません。

判別のコツ

may well / may as well

may well は「〜するのももっともだ」「たぶん〜だろう」。may as well は「〜したほうがよい」です。

well と as well が入るだけで意味が大きく変わるため、セットで区別します。

You may well be surprised.
あなたが驚くのももっともです。
We may as well wait here.
ここで待ったほうがよいでしょう。

would rather do

would rather do は「むしろ〜したい」という意味です。後ろは動詞の原形です。

would rather A than B の形で「B するよりむしろ A したい」となります。

I would rather stay home.
私はむしろ家にいたいです。
I would rather walk than take a taxi.
タクシーに乗るよりむしろ歩きたいです。

had better do

had better do は「〜したほうがよい」という意味ですが、状況によっては「そうしないとまずい」という強めの忠告になります。

had better の had は過去の意味ではありません。後ろは動詞の原形です。否定は had better not do です。

You had better see a doctor.
医者に診てもらったほうがよいです。
You had better not tell anyone.
誰にも言わないほうがよいです。

cannot but do

cannot but do は「〜せざるをえない」という意味です。cannot help doing とほぼ同じ意味ですが、後ろの形が違います。

cannot help doing は動名詞、cannot but do は動詞の原形です。

I cannot but agree with you.
私はあなたに同意せざるをえません。
We could not but admire his courage.
私たちは彼の勇気に感心せざるをえませんでした。

よくある間違い

間違い 1

誤りI cannot help to laugh.
正しくはI cannot help laughing.
理由cannot help の後ろは動名詞です。

間違い 2

誤りYou cannot be too careful. を「注意しすぎることはできない」と訳す
正しくはいくら注意してもしすぎることはない。
理由cannot … too は肯定的な意味です。

間違い 3

誤りYou had better not to go there.
正しくはYou had better not go there.
理由had better not の後ろは動詞の原形です。

まとめ

助動詞の慣用表現は、直訳ではなく表現全体で覚える必要があります。

後ろに動名詞を取るのか、動詞の原形を取るのかも、整序問題で狙われるので必ず確認しましょう。


この章の進行

次は、助動詞の中でも 依頼・許可・提案の表現 を整理します。


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この記事を書いた人

大学受験英語の専任講師。指導歴9年・のべ1,500人以上を指導。TOEIC990点(満点)・英検1級・登録日本語教員。英文法・英文解釈・英作文を「順番につなげて」学べるよう、問題演習を中心にわかりやすい解説を発信しています。

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