導入
仮定法は、英語の文法の中でも苦手にする受験生が多い単元です。理由は、形だけを見ると時制と似ているのに、意味は時制と同じではないからです。
If I were rich, I would travel around the world. の were は過去の話ではありません。現在の事実とは違うことを、現実から距離を置いて述べています。
第4章では、仮定法を「公式の暗記」ではなく、現実との距離を表す文法として整理します。
この記事では、文法事項そのものを順番に整理します。流れは次の通りです。
- 単元の中心イメージ — 仮定法をどう見るか
- 基本用法(仮定法の概要) — まず押さえる形と意味
- 応用例と判別のコツ — 入試で迷いやすい使い分け
- 大学受験で問われる重要ポイント — 整序・空所補充・読解で見る場所
- よくある間違い — 日本語訳に引っ張られやすい形
単元の中心イメージ
仮定法の中心イメージは、現実とは違うこと、または実現可能性が低いことを、時制を一段ずらして表すことです。
現在の事実に反するなら過去形、過去の事実に反するなら過去完了形を使います。この形のずれが、現実との距離を作ります。
| 種類 | 形 | 意味 |
|---|---|---|
| 仮定法過去 | If S 過去形, S would 原形 | 現在の事実に反する仮定 |
| 仮定法過去完了 | If S had p.p., S would have p.p. | 過去の事実に反する仮定 |
| 混合仮定法 | If S had p.p., S would 原形 | 過去の条件が現在に影響 |
| I wish | I wish S 過去形 / had p.p. | 現在・過去への願望 |
| as if | as if S 過去形 / had p.p. | まるで〜のように |
| 条件の代用 | without / but for / otherwise | if 節なしの仮定 |
基本用法(仮定法の概要)
仮定法は時制そのものではない
仮定法では、過去形が現在の内容を表すことがあります。これは、過去形が時間の過去ではなく、現実からの距離を表しているからです。
If I knew his address, I would visit him. は、今住所を知らないという現在の事実を背景にしています。
if 節と主節を分けて見る
仮定法では、if 節が条件、主節がその結果を表します。if 節だけ、主節だけで判断すると形を取り違えやすくなります。
現在の反実仮想なら if 節は過去形、主節は would / could / might + 原形。過去の反実仮想なら if 節は had p.p.、主節は would / could / might have p.p. です。
応用例と判別のコツ
would / could / might の違い
仮定法の主節では would だけでなく could / might も使います。would は「〜するだろう」、could は「〜できるだろう」、might は「〜かもしれない」です。
日本語ではどれも「〜だろう」と訳せることがありますが、可能なのか、単なる結果なのか、弱い可能性なのかを分けて読みます。
were は仮定法でよく使われる
仮定法では、主語が I / he / she でも were を使うことがあります。If I were you は典型表現です。
会話では If I was … も見られますが、大学受験では If I were you を標準形として押さえます。
仮定法は if がなくても成立する
仮定法は if 節だけで作られるわけではありません。without, but for, otherwise, I wish, as if などでも、現実と違う内容を表せます。
入試では、if がない仮定法のほうが見落としやすいため、would / could / might の存在にも注意します。
大学受験で問われる重要ポイント
- 仮定法は現実との距離を表す
- 現在の反実仮想には過去形を使う
- 過去の反実仮想には had p.p. を使う
- 主節は would / could / might を文脈で選ぶ
- If I were you は定型表現として押さえる
- if がない仮定法にも注意する
よくある間違い
間違い 1
間違い 2
間違い 3
理解を固める確認問題
最後に、この単元で迷いやすい判断ポイントを確認します。答えを開く前に、仮定法の形・時間・現実との関係を自分で一度考えてみてください。
Q1. 仮定法の中心イメージは?
Q2. 現在の事実に反する仮定の形は?
Q3. 過去の事実に反する仮定の形は?
まとめ
仮定法は、現実との距離を表す文法です。過去形や過去完了形は、単なる時間ではなく、事実とのずれを表します。
第4章では、仮定法過去・仮定法過去完了・混合仮定法・I wish・as if・if なしの仮定法まで、入試で使える形に整理していきます。
この章の進行
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ここから第 4 章「仮定法」に入ります。まずは全体像を押さえてから、現在・過去・if なし条件・倒置・仮定法現在へ進みます。