分詞構文が苦手な人は、英文の中で -ing や -ed で始まるまとまりが出てきた瞬間に、急に文が読みにくくなってしまいがちです。
実際、受験生の多くは分詞構文を見ると、
- どこまでが分詞構文なのかわからない
- 誰がその動作をしているのか見えない
- 現在分詞と過去分詞の違いが曖昧
- 「何かが省略されている」ことはわかるが、何が省略されているのかつかめない
というところで止まってしまいます。
ですが、分詞構文は特別な別世界の文法ではありません。
やっていることは、もともと 接続詞+主語+動詞 で書ける内容を、より短く、よりコンパクトに言い換えているだけです。
つまり、分詞構文で大事なのは、
「どこまでが修飾か」
「何が省略されているか」
「それが主節の誰に対応しているか」
を落ち着いて見ることです。
今回は、その考え方がよくわかるように、大学受験レベルの1問を使って丁寧に確認していきます。
この記事でわかること
- 分詞構文でどこまでが修飾なのかを見る方法
- 分詞構文で何が省略されているのか考える手順
- 現在分詞と過去分詞の見分け方
- 分詞構文を長文で読み間違えないための考え方
問題
次の英文の文頭の下線部について、最も適切な説明を選びなさい。
Encouraged by his teacher to check the subject and the verb first, Ken began to read long English sentences more carefully.
- Encouraged は his teacher を説明しており、「先生が主語と動詞を確認しながらケンを励ました」という意味である。
- Encouraged は Ken に対応しており、「先生にまず主語と動詞を確認するよう励まされて(あるいは励まされたので)」という意味である。
- to check the subject and the verb first は long English sentences を説明しており、「ケンは長い英文そのものを確認し始めた」という意味である。
- 下線部は独立した節であり、his teacher を主語とする完全な文が省略されている。
解答
正解は 2 です。
和訳
先生から、まず主語と動詞を確認するよう励まされて、ケンは長い英文をより注意深く読むようになった。
解説
まず主節をつかむ
分詞構文で迷ったときに最初にやるべきことは、いきなり分詞構文を解こうとしないことです。
先に主節、つまり文の中心をつかみます。
この文の主節は、
Ken began to read long English sentences more carefully.
です。
ここでは、
- 主語:Ken
- 動詞:began
となっています。
つまり、この文の中心は
「ケンが、長い英文をより注意深く読むようになった」
ということです。
次に、分詞構文の主語を考える
文頭の下線部には、はっきりした主語が書かれていません。
Encouraged by his teacher to check the subject and the verb first
では、誰が励まされたのでしょうか。
ここで大切なのが、分詞構文は、基本的に主節と同じ主語を共有するという考え方です。
主節の主語は Ken でした。
したがって、分詞構文で省略されている主語も Ken だと考えるのが自然です。
つまり、この下線部は頭の中で戻すと、
As/After Ken was encouraged by his teacher to check the subject and the verb first
のような内容だと考えられます。
Encouraged は過去分詞なので、受動の意味になる
ここでの Encouraged は encourage の過去分詞です。
したがって、
Encouraged by his teacher …
は、
Ken was encouraged by his teacher …
という受け身の発想で読むのが正しいです。
つまり、ここは
「励ました」ではなく「励まされた」
と読む必要があります。
to check … は encouraged の内容を補っている
次に見たいのが、
to check the subject and the verb first
の部分です。
これは long English sentences を説明しているのではありません。
ここは、何をするよう励まされたのかを表しています。
つまり、
- encouraged by his teacher = 先生に励まされて
- to check the subject and the verb first = まず主語と動詞を確認するように
というまとまりです。
どこまでが分詞構文なのか
今回の文では、
Encouraged by his teacher to check the subject and the verb first,
Ken began …
と、コンマまでが分詞構文です。
つまり、
- 文頭からコンマまで → 分詞構文
- コンマの後ろ → 主節
と区切れば読みやすくなります。
なぜ他の選択肢は違うのか
1 はなぜ違うのか
Encouraged が his teacher を説明しているわけではありません。
主節の主語は Ken であり、分詞構文の省略された主語も Ken と考えるのが基本です。
3 はなぜ違うのか
to check the subject and the verb first は、long English sentences を説明しているのではありません。
ケンが何をするよう励まされたのかを表しています。
4 はなぜ違うのか
今回の省略された主語は his teacher ではなく Ken です。
頭の中で戻すなら、Ken was encouraged by his teacher … と考えるのが自然です。
この問題のポイント
この問題でいちばん大切なのは、分詞構文は「誰がその動作をしているのか」を主節から回収するということです。
分詞構文を読む3ステップ
- まず主節の主語と動詞を見つける
- 分詞構文の主語は誰か考える
- 現在分詞か過去分詞かで意味を決める
今回なら、
- 主節の主語は Ken
- 分詞構文の主語も Ken
- Encouraged は過去分詞なので受動
という流れで読むことができます。
分詞構文で止まらないための考え方
今回の文も、もとをたどれば
Ken was encouraged by his teacher to check the subject and the verb first.
Then he began to read long English sentences more carefully.
のような内容です。
これをコンパクトにまとめて、
Encouraged by his teacher to check the subject and the verb first, Ken began …
としているだけです。
つまり、分詞構文は
「短く書かれているだけで、意味の骨格は普通の文と同じ」
と考えると読みやすくなります。
よくある誤解
-ing なら全部「〜しながら」、ではない
分詞構文は、文脈によって
- 時
- 理由
- 条件
- 結果
- 付帯状況
など、さまざまな意味を表します。
また、今回のように 過去分詞 で始まる場合は、受動の意味になるので、
「〜しながら」で無理に処理しようとすると崩れやすいです。
まとめ
今回の正解は 2 でした。
この問題では、
- 主節の主語は Ken
- 分詞構文の省略された主語も Ken
- Encouraged は過去分詞なので受動
- コンマまでが分詞構文のまとまり
という流れで読むことが大切でした。
分詞構文で迷ったときは、次の3点を確認してください。
- 主節の主語は誰か
- 分詞構文の主語は誰が省略されているか
- 現在分詞か過去分詞か
この見方ができるようになると、分詞構文は「難しい文法」ではなく、省略された情報を戻して読む問題としてかなり整理しやすくなります。
