英文解釈が苦手な人の多くは、単語が難しすぎるから読めないのではなく、
文の骨格と修飾語を分けて読めていない
ことが多いです。
特に大学受験の英文では、主語や動詞のまわりに
- 前置詞句
- 不定詞
- 分詞
- 関係詞節
- 挿入的な説明
などがいくつも重なってきます。
すると、受験生はつい、
全部を同じ重さで読んでしまう
ことがあります。
その結果、
- どれが文の中心なのかわからない
- 途中の説明に引っぱられて主語と動詞を見失う
- 最後まで読んでも何が言いたい文なのか残らない
という状態になってしまいます。
ですが、英文はまず骨格をつかめばかなり読みやすくなります。
今回は、その考え方がよくわかるように、大学受験レベルの1問を使って丁寧に確認していきます。
この記事でわかること
- 修飾語が多い英文で、どこを先に読むべきか
- 文の骨格と修飾語を分ける考え方
- 長い英文でも主語と動詞を見失わない手順
問題
次の英文を読み、文全体の骨格として最も適切なものを選びなさい。
The report on how local libraries, supported by volunteers from several universities, can provide students with quieter places to study during exam season has encouraged the city council to expand the program.
- The report / has encouraged
- local libraries / can provide
- volunteers / supported
- students / to study
解答
正解は 1. The report / has encouraged です。
和訳
複数の大学からのボランティアに支えられた地域の図書館が、試験期間中に学生により静かな学習場所を提供できる仕組みに関するその報告書は、市議会にその計画の拡大を促してきた。
解説
まずは「何が言いたい文か」をつかむ
修飾語が多い英文を見ると、つい前から順番に全部同じ重さで読んでしまいがちです。
ですが、最初にやるべきことはシンプルです。
この文の主語は何か
その主語に対応する動詞は何か
を探します。
英語の節は、基本的に主語+動詞を中心にできています。
したがって、まずこの2つを押さえれば、文の骨格が見えてきます。
文頭の The report をまず主語候補にする
文は次のように始まっています。
The report on how local libraries, supported by volunteers from several universities, can provide students with quieter places to study during exam season …
ここでまず大切なのは、文頭の名詞の中心を見ることです。
最初に出てきている名詞の中心は The report です。
その後ろには長い説明が続いていますが、まずは
主語候補=The report
と置いて読むのが基本です。
on how … は report を説明している
The report のすぐ後ろには、
on how local libraries … can provide students …
という長いまとまりがあります。
ここで大事なのは、on how … は report の中身を説明しているということです。
つまりこの report は、
「地域の図書館がどのように学生に静かな学習場所を提供できるかについての報告書」
という意味です。
したがって、この部分は文の中心ではなく、report にかかる説明です。
supported by volunteers … も修飾語
さらに途中には、
local libraries, supported by volunteers from several universities,
という部分があります。
ここで supported が見えると、動詞だと思って引っぱられやすいですが、これは主節の動詞ではありません。
ここでは local libraries を後ろから説明している修飾表現です。
can provide はどこの動詞か
次に目に入るのが
local libraries … can provide students with quieter places …
の can provide です。
これも動詞ではありますが、文全体の主節の動詞ではありません。
なぜなら、これは how local libraries can provide … という、report の中身を説明する節の中の動詞だからです。
文全体の骨格は The report has encouraged
長い修飾をいったん脇に置くと、文全体は次のように見えてきます。
The report … has encouraged the city council to expand the program.
ここでようやく、主語と動詞の対応がはっきりします。
- 主語:The report
- 動詞:has encouraged
したがって、文全体の骨格は
The report / has encouraged
です。
なぜ他の選択肢は違うのか
2. local libraries / can provide
これは非常に選びやすい誤答です。
たしかに local libraries … can provide students … という並びは見えます。
ですが、これは report の中身を説明する節の一部であり、文全体の骨格ではありません。
3. volunteers / supported
これは文法的に見ても骨格になっていません。
supported by volunteers … の supported は、ここでは主節動詞ではなく、libraries を説明する修飾です。
また、volunteers は前置詞 by の後ろにあるので、主語ではありません。
4. students / to study
これも骨格ではありません。
students は provide A with B の A にあたる語であり、主語ではありません。
また、to study は places を説明する不定詞的な表現です。
この問題のポイント
この問題でいちばん大切なのは、文の中心と、その周りの説明を分けることです。
長い英文を読むときは、まず
- 主語
- 動詞
を探して骨格をつかみ、そのあとで修飾や追加情報を回収するのが基本です。
文の骨格をつかむ3ステップ
- 文頭の名詞句を主語候補として置く
- 途中の長い説明をいったん脇に置く
- 主語に対応する本当の動詞を探す
今回なら、
- 主語候補:The report
- 途中の説明:on how … / supported by … / to study …
- 本当の動詞:has encouraged
という流れで読むことができます。
修飾語が多い英文で止まらないための考え方
修飾語が多い英文が苦手な人は、
「全部訳せないと前に進めない」
と思ってしまうことがあります。
ですが、英文解釈では順番が逆です。
まずは、
この文は何が言いたいのか
を骨格でつかみます。
そのあとで、細かい説明を追加していけばよいのです。
つまり、
骨格 → 修飾
の順で読むことが大切です。
よくある誤解
長い文は、前から全部きれいに訳さないと読めない
もちろん最終的には全体を正確に読む必要があります。
ですが、最初の段階で全部を完璧に処理しようとすると、かえって骨格が見えなくなります。
長い文こそ、
- 何が主語か
- 何が動詞か
- どこまでが中心で、どこからが説明か
を先に整理するほうが読みやすくなります。
まとめ
今回の正解は 1. The report / has encouraged でした。
この文では、
- The report が主語
- has encouraged が主節の動詞
- その間に長い修飾や説明が入っていた
という構造になっていました。
修飾語が多い英文で迷ったときは、次の3点を確認してください。
- 文頭の名詞の中心は何か
- 途中の語句は文の中心か、説明か
- 主語に対応する本当の動詞は何か
この見方ができるようになると、長い英文でも、前よりずっと骨格が見えやすくなります。
