主語と後置修飾の見分け方

英文を読むとき、主語はいつも短いとは限りません。

むしろ大学受験の英語では、名詞の後ろにいろいろな修飾語がついて、主語全体が長くなることがよくあります。

このとき大事なのは、主語の核主語全体を分けて考えることです。

今回の記事では、核は名詞1語なのに、その後ろに修飾語がついて長くなっているパターンを扱います。

具体的には、次の6つです。

  • 前置詞のかたまり
  • to不定詞
  • 現在分詞
  • 過去分詞
  • 関係代名詞
  • 関係副詞

ポイントはシンプルです。

主語の核はあくまで名詞であり、その後ろに後置修飾がついているだけ、という見方を身につけることです。

目次

1 まず確認したいこと――主語の核と主語全体は別である

次の文を見てください。

The book on the desk is mine.

「机の上のその本は私のものです。」

この文の主語は The book on the desk です。ただし、主語の核は book です。

  • 主語の核:book
  • 主語全体:The book on the desk

ここで on the desk は book を説明しています。

しかし、on という前置詞で始まっているので、主語の核ではありません。

この区別ができるようになると、主語が長い英文でもかなり読みやすくなります。

2 主語を見つける基本手順――まず「前置詞がついていない最初の名詞」を探す

語としての主語を見つけるときの基本ルールは、

「文で最初に出てくる,前置詞がついていない名詞」を探すことでした。

このルールは、主語が長くなる英文でもとても有効です。

まずその名詞を核として押さえれば、そのあとに何がどこまでくっついているかを冷静に見られるからです。

次の文を見てください。

The students in this class need more practice.

「このクラスの生徒たちは、もっと練習を必要としている。」

この文で、最初に出てくる前置詞がついていない名詞は students です。

したがって、主語の核は students です。

そのあとに in this class がついているので、主語全体は The students in this class になります。

読む順番としては、次のようになります。

  1. まず核の名詞を見つける
  2. そのあと、後ろにどこまで説明がついているかを見る
  3. 最後に述語動詞を確認する

この流れで読むことが大切です。

3 前置詞のかたまりが後ろから名詞を修飾する

最も基本的なのがこの形です。

名詞の後ろに in the room や with long hair のような前置詞のかたまりがついて、名詞を後ろから説明します。

The girl with long hair is my sister.

「長い髪のその少女は私の妹です。」

  • 主語の核:girl
  • 主語全体:The girl with long hair

with long hair は girl を説明していますが、前置詞 with で始まっているので、核ではありません。

The man in front of the station teaches English.

「駅の前にいるその男性は英語を教えています。」

この文の核は man です。in front of the station が、その男性がどこにいるかを説明しています。

さらに、次のように長くなることもあります。

The man in front of the station with a large bag teaches English.

「大きなかばんを持って駅の前にいるその男性は英語を教えています。」

この文でも主語の核は man のままです。後ろの説明が長くなっているだけです。

ここでの注意

前置詞のかたまりの中にも名詞は出てきます。

しかし、それらは前置詞のあとに置かれているので、主語の核ではありません。

上の文には station や bag も出てきますが、核はあくまで最初の man です。

4 to不定詞が後ろから名詞を修飾する

ここで扱う to不定詞は、主語そのものではありません。

名詞の後ろについて、その名詞を説明する後置修飾です。

The ability to read English accurately is important.

「英語を正確に読む力は重要です。」

  • 主語の核:ability
  • 主語全体:The ability to read English accurately

to read English accurately は、ability を後ろから説明しています。

どんな ability なのかというと、「英語を正確に読む力」です。

The ability to understand long sentences helps students.

「長い文を理解する力は、生徒たちの助けになります。」

  • 主語の核:ability
  • 主語全体:The ability to understand long sentences

ここでのポイント

to不定詞を見たときは、すぐに「to不定詞全体が主語だ」と考えないことが大切です。前に ability のような名詞があるなら、まずは「to不定詞がその名詞を後ろから修飾しているのではないか」と考えます。

To read English accurately is important.

「英語を正確に読むことは重要です。」

では、To read English accurately 自体が主語です。一方、

The ability to read English accurately is important.

「英語を正確に読む力は重要です。」

では、主語の核はあくまで ability です。今回は後者、つまり名詞+to不定詞の後置修飾を扱っています。

5 現在分詞が後ろから名詞を修飾する

現在分詞も、名詞の後ろに置かれて、その名詞を説明することがあります。

The boy standing by the window is my brother.

「窓のそばに立っているその少年は私の弟です。」

この文の核は boy です。standing by the window が boy を後ろから修飾しています。主語全体は The boy standing by the window です。

The students waiting outside look nervous.

「外で待っている生徒たちは緊張しているように見えます。」

この文の核は students です。waiting outside が students を後ろから説明しています。

現在分詞で気をつけたいこと

現在分詞が見えると、それを述語動詞だと思ってしまう人がいます。しかし、この場合の standing や waiting は述語動詞ではありません。本当の述語動詞は islook です。現在分詞は主語の中に入っている説明部分なのです。

6 過去分詞が後ろから名詞を修飾する

過去分詞も、名詞の後ろについて、その名詞を説明することがあります。意味としては「〜された」「〜されている」という感じになることが多いです。

The language spoken in this country is English.

「この国で話されている言語は英語です。」

この文の核は language です。spoken in this country が language を後ろから修飾しています。主語全体は The language spoken in this country です。

The books written by this author are popular.

「この作家によって書かれた本は人気があります。」

この文の核は books です。written by this author が books を後ろから説明しています。

現在分詞との違い

  • 現在分詞:その名詞が「〜している」
  • 過去分詞:その名詞が「〜される」「〜された状態にある」

The boy carrying a bag is my friend.

「かばんを持っているその少年は私の友達です。」

では boy が動作をしている側です。一方、

The bag carried by the boy is heavy.

「その少年によって運ばれているかばんは重いです。」

では bag が動作を受けている側です。

7 関係代名詞節が後ろから名詞を修飾する

関係代名詞も、名詞の後ろに節を置いて、その名詞を詳しく説明します。今回は非制限用法は扱わず、制限用法のみを扱います。

The book that he bought yesterday is very useful.

「彼が昨日買ったその本はとても役に立ちます。」

この文の核は book です。that he bought yesterday が book を後ろから修飾しています。主語全体は The book that he bought yesterday です。

The students who study every day improve steadily.

「毎日勉強する生徒たちは着実に伸びます。」

The picture which was taken in Kyoto is beautiful.

「京都で撮られたその写真は美しいです。」

ここでのポイント

関係代名詞節が始まると、そこで主語が終わったように感じることがあります。しかし、実際には who / which / that 以下もまだ主語の一部です。最初の名詞を核としてしっかり持ち続けることが大切です。

8 関係副詞節が後ろから名詞を修飾する

関係副詞 when, where, why も、名詞の後ろに節を置いて、その名詞を説明します。

The town where he was born is famous for its old temples.

「彼が生まれた町は古い寺で有名です。」

この文の核は town です。where he was born が town を後ろから修飾しています。主語全体は The town where he was born です。

The day when we met for the first time was rainy.

「私たちが初めて会った日は雨でした。」

The reason why he left early is still unclear.

「彼が早く帰った理由はいまだにはっきりしていません。」

関係副詞でも考え方は同じ

関係副詞節がついても、主語の核はあくまで town・day・reason のような名詞です。その後ろに説明がくっついて、主語全体が長くなっているだけです。

9 長い主語はどう読めばよいか――「核→修飾→述語」の順で読む

長い主語が苦手な人は、最初から全部を一気に読もうとしてしまいがちです。でも、それでは構造が見えにくくなります。おすすめは、核→修飾→述語 の順に読むことです。

The girl with long hair who is sitting by the window is my cousin.

「窓のそばに座っている長い髪のその少女は私のいとこです。」

  • 核:girl
  • 修飾①:with long hair
  • 修飾②:who is sitting by the window
  • 述語:is

まず girl をつかみ、そのあとに後ろの説明を順に足していけばよいのです。こう考えると、長い主語も「ただ名詞の説明が増えているだけ」だと分かります。

10 よくある誤読

① 後置修飾の中の名詞を主語の核だと思ってしまう

The book on the desk near the window is new.

「窓の近くの机の上にあるその本は新しいです。」

この文には desk や window という名詞も出てきます。しかし、どちらも前置詞のあとにあります。したがって、主語の核は book です。

② 分詞を述語動詞だと思ってしまう

The boy standing there looks tired.

「そこに立っているその少年は疲れているように見えます。」

この文で述語動詞は looks です。standing は主語の中に入っている現在分詞です。

③ 関係詞節に入った時点で主語が終わったと思ってしまう

The student who answered the question correctly was praised by the teacher.

「その質問に正しく答えた生徒は先生にほめられました。」

この文の主語の核は student です。ただし、主語全体は The student who answered the question correctly です。who 以下もまだ主語の一部です。

11 今回の内容を整理する――主語の核は名詞、後ろに説明がついて長くなる

① 主語の核はあくまで名詞1語

主語が長く見えても、まずは核の名詞を見つけることが大切です。

② 後置修飾にはいろいろな形がある

  • 前置詞のかたまり
  • to不定詞
  • 現在分詞
  • 過去分詞
  • 関係代名詞
  • 関係副詞

③ 読み方は「核→修飾→述語」

  1. 核の名詞を見つける
  2. 後ろの修飾を足していく
  3. 最後に述語動詞を確認する

この順番で読めば、主語の範囲がかなり見やすくなります。

まとめ

主語は、短い名詞1語だけとは限りません。名詞の後ろに後置修飾がつくことで、主語全体は長くなることがあります。

しかし、長くなっても本質は同じです。

  1. 「文で最初に出てくる,前置詞がついていない名詞」を見つけて、主語の核を押さえる
  2. そのあとで、前置詞句・to不定詞・分詞・関係詞節などを足して、主語全体の範囲を確定する

この読み方ができるようになると、長い英文でも構造がかなり見やすくなります。

今回の内容は、あくまで「主語の核は名詞で、その後ろに修飾がつくパターン」でした。次回は、to不定詞・動名詞・名詞節そのものが主語になるパターンを扱うと、主語の全体像がさらに整理しやすくなります。

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この記事を書いた人

予備校講師・大学受験英語指導。TOEIC990点・英検1級。偏差値50〜60帯の受験生が英文法・英文解釈・英作文の力を体系的に身につけられるよう、問題解説を中心に発信しています。

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