主語になる名詞句・名詞節

目次

主語は「名詞1語」だけではない――まとまり全体が主語になる場合

前回は、名詞が主語の核になり、その後ろに前置詞句・to不定詞・分詞・関係詞節などがついて、主語全体が長くなるパターンを見ました。

今回はそこから一歩進んで、名詞1語ではなく、まとまり全体が主語になるパターンを整理します。

具体的には、次の2つです。

  • 名詞句
  • 名詞節

ここでいう名詞句とは、今回の記事では

  • to不定詞
  • 動名詞

のことです。

また、名詞節とは

  • that節
  • whether節
  • 間接疑問節
  • what節
  • 複合関係代名詞節

のことです。

ポイントは、どれも文の中で名詞のように働くということです。
つまり、名詞1語の代わりに、句や節のまとまりがそのまま主語の位置に来るわけです。

1 まず確認したいこと

今回は「主語の核が名詞1語」とは限らない

次の文を見てください。

To read English accurately is important.
「英語を正確に読むことは重要です。」

この文では、主語は To read English accurately です。

前回のように、「まず最初の名詞を探して、それを核にする」という見方ではうまくいきません。
なぜなら、この文では to不定詞のまとまり全体が主語だからです。

次の文も見てみましょう。

That he was absent surprised everyone.
「彼が欠席したことはみんなを驚かせました。」

この文では、主語は That he was absent です。
ここでも、主語は名詞1語ではなく、that節全体です。

つまり今回は、前回の「名詞+後置修飾」とは違って、
最初からまとまり全体で主語になっているパターンを扱います。

2 名詞句・名詞節とは何か

名詞の代わりに置けるまとまりが主語になる

英語では、主語の位置には名詞が来るのが基本です。
しかし実際には、名詞1語だけでなく、名詞のように働くまとまりも主語になります。

たとえば、次の文を見てください。

Reading books is useful.
「本を読むことは役に立ちます。」

この文では、Reading books が主語です。

また、次の文では、

Whether he will come is uncertain.
「彼が来るかどうかは不確かです。」

Whether he will come が主語です。

どちらも長さは違いますが、文の中では名詞と同じ位置に置かれ、主語の役割を果たしています。

したがって、今回大切なのは、
「このまとまり全体が主語になっている」と捉えることです。

3 to不定詞が主語になる

まずは to不定詞 が主語になる形を見ます。

To learn grammar well takes time.
「文法をしっかり学ぶことは時間がかかります。」

この文の主語は To learn grammar well です。
to learn から始まるまとまり全体が主語になっています。

もう一つ見てみましょう。

To understand a long sentence is not easy.
「長い文を理解することは簡単ではありません。」

この文でも、主語は To understand a long sentence です。

ここで大切なのは、to不定詞が見えたとき、それが名詞の後ろにあるのか、文頭でまとまりごと主語になっているのかを見分けることです。

たとえば前回扱った、

The ability to understand a long sentence is important.
「長い文を理解する力は重要です。」

では、主語の核は ability でした。
to understand a long sentence は、その ability を後ろから説明しているだけでした。

しかし、

To understand a long sentence is important.
「長い文を理解することは重要です。」

では、To understand a long sentence 全体が主語です。

同じ to不定詞でも、役割が違うわけです。

to不定詞が主語になるときの見方

to不定詞が文頭にあり、そのあとに述語動詞が続いているなら、まずは
「to不定詞のまとまり全体が主語ではないか」
と考えます。

たとえば、

To read English aloud every day improves your pronunciation.
「毎日英語を音読することは発音を向上させます。」

この文では、主語は To read English aloud every day です。
improves が述語動詞なので、そこまでが主語だと分かります。

4 動名詞が主語になる

次に、動名詞 が主語になるパターンを見ます。

Reading English aloud helps beginners.
「英語を音読することは初心者の助けになります。」

この文の主語は Reading English aloud です。
Reading を中心とする動名詞のまとまり全体が、主語になっています。

もう一つ見てみましょう。

Studying every day is more important than studying for many hours only once.
「毎日勉強することは、一度だけ長時間勉強することより重要です。」

この文の主語は Studying every day です。

動名詞は見た目が -ing なので、現在分詞と混同されやすいです。
しかし、ここでは名詞の働きをしているので、動名詞です。

動名詞と現在分詞の違い

次の2文を比べてください。

Reading English aloud helps beginners.
「英語を音読することは初心者の助けになります。」

この文の Reading English aloud は主語です。
したがって、これは動名詞です。

一方で、

The student reading English aloud is my friend.
「英語を音読しているその生徒は私の友達です。」

この文では、reading English aloudstudent を説明しています。
したがって、これは現在分詞です。

見た目は同じ -ing でも、

  • まとまり全体が主語なら 動名詞
  • 名詞を後ろから説明しているなら 現在分詞

という違いがあります。

5 to不定詞と動名詞の共通点

どちらも「〜すること」として主語になる

to不定詞も動名詞も、文の中で
「〜すること」
という意味で主語になることがあります。

たとえば、次の2文を見てください。

To speak English in public is difficult.
「人前で英語を話すことは難しいです。」

Speaking English in public is difficult.
「人前で英語を話すことは難しいです。」

この2文は、どちらも主語が「英語を人前で話すこと」という意味になっています。

もちろん、細かく見れば to不定詞と動名詞にはニュアンスの違いが出ることもあります。
しかし、まずは
どちらも主語になれる
という基本を押さえることが大切です。

今回の段階では、

  • To speak English in public
  • Speaking English in public

のどちらも、まとまり全体で主語になっていると見抜ければ十分です。

6 that節が主語になる

次に、that節 が主語になる形を見ます。

That English word order matters is true.
「英語の語順が重要であることは本当です。」

この文の主語は That English word order matters です。
that節全体が主語になっています。

もう一つ見てみましょう。

That he solved the problem surprised the teacher.
「彼がその問題を解いたことは先生を驚かせました。」

この文でも、主語は That he solved the problem です。

that節で大切なこと

that節が主語になるときは、that を省略しません
目的語になる that節では that が省略されることがありますが、主語の位置では普通省略しません。

たとえば、

I think (that) he is honest.
「私は彼が正直だと思います。」

では that を省略できることがあります。

しかし、

That he is honest is clear.
「彼が正直であることは明らかです。」

では、主語なので that をきちんと置きます。

したがって、文頭に That S V … と来たら、
まずは that節全体が主語だと考えることが大切です。

7 whether節が主語になる

次は whether節 です。

Whether he will come is uncertain.
「彼が来るかどうかは不確かです。」

この文の主語は Whether he will come です。
「〜かどうか」という内容全体が主語になっています。

もう一つ見てみましょう。

Whether this method really works remains unclear.
「この方法が本当にうまくいくかどうかは、まだはっきりしていません。」

この文でも、主語は Whether this method really works です。

if を入れない理由

今回、if節は扱いません
理由は、if の名詞節は主語になることがほとんどないからです。

したがって、主語になる「〜かどうか」は、今回の整理では whether で考えます。

つまり、文頭に Whether S V … があれば、
whether節全体が主語と見ればよい、ということです。

8 間接疑問節が主語になる

次に、間接疑問節 が主語になる形を見ます。
ただし、今回は what節は独立して次の節で扱うので、ここでは what以外 を見ます。

Why she left early is a mystery.
「なぜ彼女が早く帰ったのかは謎です。」

この文の主語は Why she left early です。

もう一つ見てみましょう。

How he solved the question is interesting.
「彼がその問題をどう解いたのかは興味深いです。」

この文の主語は How he solved the question です。

さらに、

When the meeting starts has not been decided.
「会議がいつ始まるのかはまだ決まっていません。」

この文の主語は When the meeting starts です。

このように、

  • why
  • how
  • when
  • where
  • who
  • which

などで始まる間接疑問節も、まとまり全体で主語になることがあります。

疑問文ではないことに注意する

間接疑問節が主語になるとき、見た目に疑問詞があるので、疑問文のように感じることがあります。
しかし、語順は普通の疑問文ではありません。

たとえば、

Why did she leave early?
「なぜ彼女は早く帰ったのですか。」

は直接疑問です。

一方で、

Why she left early is a mystery.
「なぜ彼女が早く帰ったのかは謎です。」

では、Why she left early が主語であり、語順は
疑問詞 + 主語 + 動詞
になっています。

ここを混同しないことが大切です。

9 what節が主語になる

今回は関係代名詞 what を含む節として考える

What he said was true.
「彼が言ったことは本当でした。」

この文の主語は What he said です。

今回、what については、意味で判断して関係代名詞として扱います。
つまり、What he said
「彼が言ったこと」
というひとまとまりの内容を表しています。

ここでの what は、単なる疑問の what というより、
the thing which he said
に近い働きをしていると考えるわけです。

もう一つ見てみましょう。

What she wrote on the board was correct.
「彼女が黒板に書いたことは正しかったです。」

この文でも、主語は What she wrote on the board です。

さらに、次の文も見てください。

What matters most is consistency.
「最も重要なことは継続です。」

この文でも、主語は What matters most です。

what節の見方

what節が文頭に来たら、まずは
「what 以下でひとまとまりの内容を作っていて、それ全体が主語になっている」
と考えます。

そして今回の整理では、
what は関係代名詞として扱う
という方針で統一します。

10 複合関係代名詞節が主語になる

次に、複合関係代名詞節 が主語になる形を見ます。

複合関係代名詞には、たとえば

  • whoever
  • whatever
  • whichever

などがあります。

これらは、先行詞を含んだ関係代名詞として働き、節全体で主語になることがあります。

Whoever finishes first will get the prize.
「最初に終わる人は賞をもらいます。」

この文の主語は Whoever finishes first です。

もう一つ見てみましょう。

Whatever he says is worth listening to.
「彼が何を言うにせよ、それは聞く価値があります。」

この文の主語は Whatever he says です。

さらに、

Whichever book you choose will be useful.
「あなたがどちらの本を選んでも、それは役に立つでしょう。」

この文の主語は Whichever book you choose です。

複合関係代名詞節のポイント

複合関係代名詞節は、
「〜する人はだれでも」「〜するものは何でも」「どちらを〜しても」
のように、節全体でひとまとまりの内容を表します。

したがって、これも名詞1語ではなく、節全体がそのまま主語になっていると考えます。

11 名詞節はどこまでが主語か

述語動詞が見えたところで区切る

名詞節が主語になると、主語が長くなって、どこまでが主語なのか分からなくなることがあります。
そんなときは、文全体の述語動詞がどこにあるかを見ると整理しやすいです。

たとえば、

That he can explain the structure clearly is important.
「彼がその構造をはっきり説明できることは重要です。」

この文では、is が文全体の述語動詞です。
したがって、その前の That he can explain the structure clearly までが主語です。

同じように、

Why the answer is wrong is easy to explain.
「なぜその答えが間違いなのかは説明しやすいです。」

この文では、後ろの is が文全体の述語動詞です。
そのため、Why the answer is wrong が主語だと分かります。

さらに、

Whatever he decides will affect the team.
「彼が何を決めようと、それはチームに影響を与えるでしょう。」

この文では、will affect が文全体の述語です。
したがって、Whatever he decides が主語です。

つまり、名詞句や名詞節が主語になる場合も、
文全体の述語動詞を見つけることが、主語の範囲をつかむ助けになります。

12 よくある誤読

① to不定詞や動名詞の一部だけを主語だと思ってしまう

To read English carefully takes patience.
「英語を注意深く読むことは忍耐を要します。」

この文の主語は To read English carefully 全体です。
to read だけでも、English だけでもありません。

同じように、

Reading difficult sentences requires practice.
「難しい文を読むことには練習が必要です。」

でも、主語は Reading difficult sentences 全体です。

② that節・whether節の最初の1語だけを見て終わってしまう

That he was absent surprised everyone.
「彼が欠席したことはみんなを驚かせました。」

この文の主語は That ではありません。
That he was absent 全体です。

Whether he can solve the problem is unclear.
「彼がその問題を解けるかどうかははっきりしていません。」

この文でも、主語は Whether ではなく、
Whether he can solve the problem 全体です。

③ 間接疑問節を直接疑問文の語順で考えてしまう

Why he left early is a mystery.
「なぜ彼が早く帰ったのかは謎です。」

ここで Why did he leave early のように考えてしまうと、構造が崩れます。
間接疑問節では、語順はあくまで平叙文の語順です。

④ what を疑問詞とだけ考えてしまう

What he said was true.
「彼が言ったことは本当でした。」

今回の整理では、What he said
「彼が言ったこと」
というまとまりを作っており、関係代名詞 what を含む節として考えます。

したがって、文頭の what を見たら、
単に「何?」と考えるのではなく、
節全体でひとつの内容を表しているのではないか
と考えることが大切です。

⑤ 複合関係代名詞節を途中で切ってしまう

Whoever wants to join us is welcome.
「私たちに加わりたい人はだれでも歓迎されます。」

この文の主語は Whoever wants to join us 全体です。
Whoever だけではありません。

Whichever answer you choose will have some risk.
「あなたがどちらの答えを選んでも、それにはある程度のリスクがあります。」

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この記事を書いた人

予備校講師・大学受験英語指導。TOEIC990点・英検1級。偏差値50〜60帯の受験生が英文法・英文解釈・英作文の力を体系的に身につけられるよう、問題解説を中心に発信しています。

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